生理日の移動(月経移動)のご説明
生理日(月経日)はコントロールすることができます。
旅行やスポーツ、結婚式、試験、仕事など、大切なイベントの日にどうしても生理をずらしたい時、ホルモン剤(低用量ピル、中用量ピルなど)を服用することで生理の日を移動させることができます。
ここでは、ホルモン剤を使用して、生理を早める方法、遅らせる方法についてご説明します。
初めてホルモン剤を内服する方や、イベントまでに日数的な余裕がある方は、「生理を早める方法」をおすすめしております。
問診などで異常がなければ、検査などは必要ありません。
取り扱いのホルモン剤の料金
ネオクリニックでは、3種のホルモン剤をご用意しております。
使用するホルモン剤はその状況に応じて、
- プラノバール(中用量ピル:エスロトゲンとプロゲステロン)
- ノアルテン (黄体ホルモン)
- マーベロン21 (低用量ピル:エストロゲンとプロゲステロン)
この3種類のどれかを状況によって処方いたします。詳しい飲み方や注意点などもあわせてご説明いたします。
生理の移動に伴うホルモン剤は、一律3,000円で処方しております。
なお、自由診療のため健康保険適応外になっており、全額ご負担いただきます。
生理を早める方法(生理の前倒し)
ネオクリニックでは、イベント中に薬を内服しなくてすむため、イベントの前に生理を起こす(生理の前倒し)ことをおすすめしています。
早めにピルを飲み始める必要があり、生理の1日目から5日目までに薬を内服し始めることが必須になるため、ずらしたい生理のひとつ前の生理中に受診してください。
つまり、「生理の1~5日目に受診をする」必要があります。あるいはその生理の直前に受診をして処方を受ける必要があります。
内服方法
生理の5日目以内(生理の3日目がおすすめ)から低用量ピル(OC)であるマーベロンを服用開始してもらいます。
原理原則として、
- OC内服中は出血はこない
- OC服用を中止すると2~3日で生理(消退出血)がくる
- 生理(消退出血)は約5日間ある
- 最低でも10日間は内服が必要
になり、これらを考慮すると、イベント開始の8日前くらいにOC服用を中止するということになります。
メリット
生理を避けたい期間中にピルを飲む必要がありません。生理が終わり、体調が良好な時期にイベントを迎えられます。
デメリット
嘔気や頭痛など、OC全般に言えるマイナー副反応が発現する可能性があります。また、短期間でも「血栓症」という重篤な副反応の可能性があります。
血栓症とは
ここ数年、低用量ピルによる血栓症の副反応が社会問題となった背景もあり、安易に中用量ピルであるプラノバールが処方しづらい環境となっています。
実際には、当クリニックは開院以降大きな問題は経験していません。しかし理論上重篤な副反応の血栓症が発症するリスクがわずかでもある以上、理解が必要です。
血栓症の多くは、片方のフクラハギ(下腿後面)の深部静脈に血栓(血液の塊)出来てその結果血管を詰まらせるものです。その後血液が戻れなくなり、フクラハギが腫れる痛いなどの症状が出ます。
放置すると、詰まって留まっている血栓が静脈内を飛んで流れて心臓まで到達し、そこから肺の血管あるいは脳の血管まで飛ぶと肺梗塞や脳梗塞といった重篤な状況が生じる可能性があります。
万が一、フクラハギの腫れや痛みが生じた場合はすぐに相談していただくか、循環器内科や緊急外来などを受診して頂くよう、お願いしております。
生理を遅らせる方法(生理の引き伸ばし)
生理を遅らせる場合、イベント期間中にピルを内服する必要があります。最も早く来ると考えられる生理予定日の1週間前には受診してください。
ネオクリニックでの月経の移動基本原則として、生理を遅らせる場合はOCである「ノアルテン」を第一選択とします。作用は少し弱めですが副反応が非常に少ないからです。
内服方法
生理が来そうな日の約1週間前からイベントの最終日までノアルテンを内服します。内服している間は原則生理が来ません。飲み終えてから2~3日で生理がきます。
ノアルテンのメリット
ノアルテンは気持ち悪いなどの副反応が少なく、イベント中でも内服できます。
ノアルテンのデメリット
中用量ピルのプラノバールと比較すると生理を抑える効果はやや低く、イベント中に少量の出血をきたすことがあります。成功率は90%くらいになります。
また、ノアルテン内服で予定の生理から1週間以上遅らせる場合、不正出血をきたす可能性がありますので、この場合、嘔吐などの副反応を了承して頂き「プラノバール」をおすすめする場合があります。
プラノバールのメリット
効果が高く、正しく服用すればほぼ確実にイベント期間の生理を避けることができます。
プラノバールのデメリット
嘔気嘔吐、頭痛、倦怠感、胸の張りなどの副反応が発現しやすく、イベント期間中の生理は避けられても、イベント中に体調不良を起こす可能性があります。
また、血栓症のリスクについて理解していただく必要があります。
ホルモン剤を飲み忘れた場合の対処法
ホルモン剤を飲み忘れた場合は、以下のように対処してください。
また、飲み忘れを防ぐために、毎日同じ時間に飲むのをおすすめしております。就寝前や朝または夜の歯磨き後など、何らかの生活サイクルと紐付けると飲み忘れを防ぐことができます。
・1~2日内服を忘れた場合
内服忘れに気が付いた時点で、忘れた分も含めて追加で内服を継続してください。
・3日以上内服を忘れた場合
月経が来てしまう可能性が高くなります。内服を忘れないよう十分注意が必要です。
ホルモン剤を処方する際の注意点
ノアルテンはどなたにでも処方可能ですが、プラノバールとマーベロンに関しては、血栓症などのリスクを考慮し、以下のような方には処方をしておりませんのでご了承ください。
- 年齢40歳以上
- たばこを1日15本以上吸う方
- 高血圧症などの病気がある方
- BMI30以上の方
- 前兆のある偏頭痛と診断されている方
など
ピル処方・性病検査なら札幌市中央区の婦人科