
オンライン診療とは?ピルや緊急避妊薬の処方がスマホでもできる!?

コロナ禍にあって、様々な分野のリモート化が進んできています。医療面も例外でなくリモート化の流れが見えます。婦人科においても、ニーズの高いピルや緊急避妊薬の処方がオンライン化することにより得られるメリットが多く謳われています。
これからますますそのような流れが予想されますので、必要な時にすぐ利用できるよう理解しておくと良いかもしれません。
今回の記事では、オンライン診療とは何か?また薬の処方の流れについてご紹介していきたいと思います。
オンライン診療とは?
オンライン診療とは、自宅にいながらスマートフォンやタブレットを使い、ビデオ通話や電話機能を通して診療が受けられるサービスです。
予約、診察、医療費の支払いまで自宅で完結できるため大変便利なサービスとして注目されています。
オンライン診療を導入している医療機関ではピルや緊急避妊薬の処方も可能です。医師が通話を通しリアルタイムなコミュニケーションをとって診察を行います。処方された薬は自宅もしくは近所の調剤薬局で受け取ることができます。
近年ではオンライン診療専用のアプリも多く開発されており、手元の端末だけで完結できるため、病院に行くことが敷居の高い方や、コロナ禍や交通の不便などの理由で通院が難しい状況の方の大きな助けとなっています。
例えば下記のような時にオンライン診療を活用しましょう!
- 仕事・学校・子育て・介護などが忙しく通院する時間が取りにくい
- 近くにピルや緊急避妊薬などの薬を処方できる婦人科がない
- 病気や怪我などで通院が難しい
- 婦人科に直接行くには勇気が持てない
- 二次感染・院内感染がこわいので予防したい
オンライン診療に関する法律の動き
近年オンライン診療に対する注目度は高まりつつあります。元々は離島や過疎地など医師の少ない限られた地域で利用されているサービスでしたが、2015年に厚生労働省がその利便性を認めたことにより少しずつ普及が始まりました。
2018年には診療報酬改定が行われ、オンライン診療科等が新設されました。その際の理念として、「患者の日常生活の情報も得ることにより、医療の質のさらなる向上に結び付けていくこと」、「オンライン診療によって、医療を必要とする患者に対して、医療に対するアクセシビリティ(アクセスの容易性)を確保し、よりよい医療を得られる機会を増やすこと」と位置付けています。
しかしこの度のガイドラインでは算定要件や適応疾患が限定的で、導入には障壁もあり、大幅な普及といえる状況ではありませんでした。
ところが近日、コロナ禍の拡大を受け2020年4月には厚労省から「電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱い」の発令があり、規制緩和の流れが進みました。
さらに2020年の9月には田村厚生労働大臣が記者会見で「初診患者のオンライン診療利用の恒久化を検討していく」と発言しています。すでに菅首相はオンライン診療の恒久化における検討を指示しており、厚生労働省内で具体的な実現に向かった動きがなされています。
このような近年の法律改正やコロナ禍等社会情勢の動きもあり、今後オンライン診療はますます普及に向かって動いていくと考えられます。
オンライン診療のメリット
オンライン診療には多くのメリットがあります。
メリット1:通院時間・待ち時間を省くことができる
オンライン診療は自宅で行うことができるため、通院時間がかかりません。仕事で病院の診療時間に合わせて時間を作ることが難しい方や、交通機関の不便な場所に住んでいる方にとって大変便利です。
必要な診療時間は数分のみなので、通院の往復や待合室での待ち時間などを考えると多くの時間を節約できると言えます。
避妊目的で服用するピルの場合、継続服用は欠かせません。服用する方の大半は若い世代のため、仕事や家庭の事情など忙しく、通院が難しい方もいます。忙しくて通院できなかった結果、欠薬してしまい望まない妊娠をしてしまったというケースを避けることができるというメリットもあります。
メリット2:人目を気にせず診療ができる
オンライン診療は予約も診療も全てインターネット上で完結するため、通院を誰かに見られたり、病院で誰かと鉢合わせするという可能性がありません。そのためプライバシー性が高く、婦人科に通うことに敷居を高く感じる方でも気軽に診療を受けることができます。
病院に通うことに抵抗がある方の場合、医師に相談することも憚られてしまうことが多いですが、オンライン診療であれば緊張することなく聞きたいことを何でも医師に聞ける、と感じる方もいるようです。
周りに知られたくないために、インターネットで不正なアフターピルを買うなどの危険も避けられ、医師との相談の元、正しい服用をすることができます。
メリット3:予約が簡単にできる
オンライン診療を行なっている医療機関の多くは、Web上で24時間予約を受け付けています。専用のアプリを導入しており、予約の空き時間を簡単に確認できるところもあります。急に予約を思い立った時にも、病院の営業時間中に電話をしなければいけないという拘束がなく便利です。
メリット4:安定してかかりつけ医の継続ができる
オンライン診療の場合、病院や本人が住んでいる所在地は関係がないため、継続してかかりつけ医として診てもらい続けることができます。引っ越しなどで病院が遠くなり通えなくなるということがないので、安定して同じ病院にかかり続けることができるというメリットがあります。
オンライン診療の流れ
オンライン診療でピルや緊急避妊薬を処方してもらう場合には、どのような診療の流れになるのでしょうか?
導入しているアプリや病院の制度によっても多少違いがありますが、ここでは一般的な流れをご紹介します。
1.日時を予約する
病院によって、専用アプリがある場合とホームページや電話で直接予約可能な場合があります。専用アプリがある場合はダウンロード完了させた後、カレンダーから予約日時を決定します。
2.問診票の入力
実際に病院に通院した時と同じく、初診の際にはオンライン問診票が用意されている場合があります。診察にあたって必要な情報を漏れなく入力することで、正確な診察を受けることができます。医師の診察時にあわせて実施するため、事前に問診票の入力・提出がない場合もあります。
3.医師の診察
予約した時間になると、指定のツールに病院側から着信があるか、オンラインで接続されたら診療が開始します。
病院によって、電話診療、zoom・LINE・Facetime・Google Duoを使ってのビデオ通話、CLINICS・CRONなどの専用アプリを使用したビデオ通話など様々です。
医師とコミュニケーションをとりながら診察を進めます。
4.支払い
病院により、クレジット決済、コンビニ・銀行振り込み、郵便振替、代引き、LINE Payなどでお支払いが可能です。病院によっては、薬を郵送で受け取った後に支払いができる「後払い」を受け付けている場合もあります。
5.薬の受け取り
オンライン診療では郵送もしくは調剤薬局での薬の受け取りとなります。郵送の場合は最短で翌日の受け取りが可能な病院もあります。
調剤薬局での受け取りの場合は、まず処方箋を郵送で受け取り、それを自身で最寄りの薬局に持っていくか、病院が指定の薬局へ処方箋を事前にFAXで送り、本人が直接薬を受け取りに行くという方法になります。
病院によっては、2度目以降のピルの処方は診療が必要なく、定期配送サービスを行なっているところもあります。
診療時の注意点
利便性の高いオンライン診療ですが、診療時の注意点もいくつかありますのでご紹介しておきたいと思います。
初診と再診
以前は、初診は原則として対面での診療が必要でしたが、新型コロナウイルス感染予防の観点から時限的・特例的な措置として、初診でもオンライン診療が受けられるように規制が緩和されました。
ただし、ピルは初回処方時には副作用の有無等詳細に確認しなければいけない項目もあり、オンライン診療を導入していても初診での処方ができない病院もあります。婦人科の初診では血液検査や、必要に応じて内診や超音波エコー等の検査を行う場合もあるため、初回は対面診療を必要とする病院もあります。初診でも処方可能かどうかオンライン診療を受ける予定の病院へ事前に確認しましょう。
※当院では初診でもオンライン診療で処方可能です
正確な情報提供は必須
手軽なオンライン上とはいえ、ピルやアフターピルの処方の際には、医師とよいコミュニケーションを図り、互いに正確な情報提供をすることは欠かせません。正しい薬の処方ができるように、事前にオンライン問診票の入力がある場合や医師の診察の際には薬の服薬状況や体の状況などについて正確に伝えるようにしましょう。血液検査や健康診断を受けたことがあれば、その結果を送付するとより体の状況を具体的に伝えることができます。
また、ピルの内服方法やピルの使用状況で気になる点があれば、その場ですぐに医師に相談するようにしましょう。
オンライン診療に関するQ&A
オンライン診療に関してご説明してきましたが、その他にも色々な質問点があるかと思います。多くの方が疑問に思う点をまとめてみました。
オンライン診療の費用は?
一般的には、薬の代金の他に、診察料、薬や処方箋の送料がかかる場合がほとんどです。
薬を継続服用する場合には、以後診察は不必要とする病院もあるため、その場合は2回目以降は薬代と送料だけの費用となります。
参考までに当院のオンライン診療では、ピルとアフターピルは下記の料金で処方しております。
送料は1,000円になります(北海道札幌市からの発送)。お支払いは銀行振込による後払いのみの受付になります(振込手数料は患者様負担)。
オンライン診療:ピルの料金
トリキュラー21 | 2,500円/1シート |
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トリキュラー28 | 2,500円/1シート |
マーベロン21 | 2,500円/1シート |
マーベロン28 | 2,500円/1シート |
アンジュ28 | 2,500円/1シート |
ファボワール28 | 2,500円/1シート |
ラベルフィーユ28 | 2,500円/1シート |
オンライン診療:緊急避妊薬(アフターピル)の料金
ノルレボ | 14,000円/1回 |
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エラ | 12,000円/1回 |
レボノルゲストレル | 13,000円/1回 |
保険診療の薬処方も可能?
病院により、保険診療の薬処方が可能な病院もあります。特に薬局と連携している病院の場合は取り扱える薬の種類も多く保険・自費ともに対応できる場合が多いです。
注意点として保険適応のピルの場合初診は対面診療が必要な場合もあります。病院によっては、他病院での診療歴、薬の処方歴がある場合には診療情報提供書や薬剤情報提供書、領収書などを提出することで、初診もオンラインで行えるところもあります。
この点は病院によって違いがあるので、オンライン診療を受ける予定の病院へ事前に確認されるとよいでしょう。
※当院は完全自由診療のため、保険診療のピルは処方しておりません
電話診療も可能?
病院により電話診療も可能です。ただし薬の継続服用と状態が安定している方のみを条件に電話診療を受けている病院もあります。また、アプリやスマートフォンを使用しない場合、保険証のFAXや銀行振り込み、調剤薬局へ薬の受け取りに行くなど通院と変わらない手間がかかってしまう場合もあるので、スマートフォンやアプリを使ったビデオ通話での診療を推奨している病院もあります。
ピルの処方を断られる場合もある?
問診や医師の診療の際にオンライン診療ではピルの処方ができないと判断される場合もあります。 例えば、タバコの服用状況、アレルギー、他の薬との併用、妊娠中、手術予定がある方、過去の病歴などによりピルの処方ができない場合もあります。
1度にまとめての処方も可能?
ピルを初めて服用する方の場合は1ヶ月分の処方に限定されるのが一般的です。継続服用の場合は、病院によって6ヶ月から1年分の処方を行なっているところもあります。
まとめ
オンライン診療とはどのようなものか?またピルや緊急避妊薬の処方の流れについてご紹介しました。
コロナ禍をきっかけに世の中の多くの流れが変わり、リモート化している動きの中で、利便性が求められるピルの処方についてもオンライン診療の必要性がますます注目されてきています。
オンライン診療には通院とは多少異なる点もありますが、メリットをうまく活用し医師との連携をしっかり図るようにすれば、多くの女性の健康福祉の促進につながるはずです。
今後オンライン診療を利用される機会がありましたら、この記事の情報が参考になれば幸いです。
当院では、完全自由診療にてピル・緊急避妊薬のオンライン診療を実施しております。
ご希望の方はWeb予約または090-1529-2065までお電話ください。