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コラム

安全日と危険日っていつのこと?妊娠の確率は?排卵の仕組みを知ろう!

安全日と危険日っていつのこと?妊娠の確率は?排卵の仕組みを知ろう!

妊娠を望まない人が使う「安全日」「危険日」という言葉。聞いた事のある人も多いのではないでしょうか?妊娠しにくい日を安全日、妊娠しやすい日を危険日というイメージがありますが、妊娠のメカニズムに当てはめて考えると意外な事実が見えてきます。

この記事では安全日と危険日について徹底解説。一般的な安全日と危険日の算出方法や生理や排卵の仕組みを踏まえて、安全日と危険日について詳しく紹介します。

安全日・危険日と呼ばれる根拠を知りたい人や、自分の安全日や危険日がいつなのか知りたいという人は是非参考にしてみて下さい。

安全日・危険日とは

妊娠とは性交渉によって精子と卵子が出会い受精し、子宮内膜へと着床することで成立します。妊娠を望まない人の中には妊娠の可能性が低い日を「安全日」、妊娠の可能性が高い日を「危険日」として避妊の有無を決めるという人も。特に性の知識が乏しい若年層の中では「安全日だから避妊しなくても大丈夫」という誤った情報を鵜呑みにしてしまっていることもあります。

性交渉を行う際には正しい知識で適切な避妊法を取り入れなければ、望まない妊娠をしてしまうことも珍しくありません。

実際に「安全日」や「危険日」は大雑把な目安でしかなく、女性はどの日でも避妊せずに性交渉をすれば妊娠する可能性があります。つまり、「妊娠しやすくなる日」はあったとしても「絶対に妊娠しない日」は存在しないということです。

生理と排卵の仕組みから分かる安全日・危険日

安全日と危険日を正しく理解するには、生理と排卵の仕組みを知っておくことが大前提。まずは、生理や排卵のメカニズムを知り安全日と危険日がどのようなものなのか紐解いていきましょう。

排卵とは

排卵は卵巣内の卵胞で原子細胞が育ち、成熟した卵子になった段階で卵胞から飛び出す現象です。排卵は1ヶ月に1個のペースで成熟し排出されます。こうして排卵した卵子と性交渉によって女性の胎内に到達した精子が受精・着床することで妊娠が成立。排卵がなく受精する卵子がなければ避妊をせずに性交渉を行っても妊娠は成立しません。

このことから排卵する可能性の低い日が安全日と呼ばれるようになりました。しかし実際の女性の体はとてもデリケートなもの。精神的ストレスや身体的疲労などで排卵するタイミングは簡単に変わってしまい、確実に排卵日を把握するのはとても難しいのです。

生理とは

生理は妊娠が不成立の場合に子宮内膜が脱落・排出される現象のこと。生理初日から次月の生理開始日までを1つの生理周期とし、女性の体の中では生理周期に合わせて女性ホルモンが大きく変化しています。

排卵も生理周期の中に含まれ、排卵された卵子の妊娠が成立しなかった場合に生理が起こります。妊娠に必要な卵子と子宮内膜が排出される生理直後は生理周期の中で比較的妊娠しにくいタイミング。このことから、生理直後を「安全日」と呼ぶ人がいるようです。

後程詳しく解説しますが、生理直後は確かに比較的妊娠の可能性は低くなるものの妊娠の可能性がなくなる訳ではありません。実際に安易に「安全日」だと考えて避妊をせずに性交渉を行い、望まない妊娠をしてしまう人も珍しくないのです。

生理周期のメカニズム

生理と排卵の仕組みから分かる安全日・危険日
生理周期は4段階に分かれ、体内で様々な変化が起こっています。

月経期

生理が起こっている時期。子宮内膜が剥がれ落ち、血と共に排出されていく。妊娠に適した胎内環境を作るための黄体ホルモンと卵子を育てる卵胞ホルモンが著しく低下するため、生理周期の中で最も妊娠しにくいタイミング。生理は一般的に3~7日続く場合が多い。

卵胞期

月経期が終わり、新たな卵子を育てている時期。卵子の成長と共に、子宮内膜を再び厚くして子宮内では妊娠の準備を始めている。卵胞期は平均13~14日。

排卵期

成熟した卵子が卵胞から飛び出す時期。排卵期は通常16~32時間続いて、黄体形成ホルモンが急上昇した後10~12時間後に排卵が行われる。排卵した精子が受精できるのは約12時間。

黄体期

排卵後、妊娠に備えて子宮内膜を厚くする時期。約14日続き、妊娠が成立しない場合月経期に移り変わり生理が始まる。

一見すると生理中である月経期を除いた場合、卵胞期なら妊娠の可能性が低く安全日と呼べそうですが、排卵が早まる可能性は捨てきれません。排卵期は元より妊娠の可能性が最も高い時期です。黄体期に関しては、卵子が受精機能を失っていれば妊娠の可能性は低いものの、万が一受精していた場合には最も着床に適した時期です。

生理周期のメカニズムを見ると、女性の体はどのタイミングでも妊娠の可能性があるという事がよく分かりますね。

排卵日だけが危険日ではない

妊娠周期のメカニズムで解説した通り、周期中殆どのタイミングで妊娠の可能性があり排卵日だけを危険日と呼ぶのは誤った知識であることは理解できたでしょう。

ここで「月経期直後なら妊娠しないのでは?」と考える人も出てきますが、これも大きな間違いです。精子の寿命は平均2~3日と言われていますが、最長で7日間生存したという記録も残っています。月経期直後に避妊をせず性交渉を行ったとしましょう。生命力の強い精子が生き続け卵胞期7日目まで生きた場合、排卵期が1週間早まるという事態は十分に起こり得ます。つまり、妊娠の可能性が出て来るという事です。

結果、「安全日」は存在せず、妊娠を望まない場合にはどんなタイミングでも適切な避妊方法を取り入れるべきだということが分かりますね。

危険日(排卵日)を知る方法

安全日は存在しないことが分かりましたが、生理周期の中で最も妊娠しやすい「危険日」は存在します。危険日、つまり排卵日を知るには3つの方法が挙げられます。

【オギノ式】生理周期から計算する

オギノ式とは、1924年に産婦人科医・荻野久作が生理周期に戻づいて算出した排卵日の特定方法です。

オギノ式の計算方法

生理周期から14日引くことで生理予定日から何日目に排卵が起こるのか特定できる計算方法。

【例】生理周期が30日の人の場合
30日(生理周期)-14=16
生理予定日の16日後を排卵日として、生理周期14日目~18日目までを排卵予定日と計算できます。
※排卵日は前後2~3日のズレを想定して5日間とします。

オギノ式は現在でも排卵日の目安として利用される計算方法で、妊娠を希望する人には簡単に排卵日を予想できるとして支持されています。

一方で、生理周期が不安定な人はオギノ式に当てはめて排卵日の予測ができないことや、体調や精神面の変化で起きる排卵日のズレまでは予想できないことはデメリットと言えるでしょう。

より確実に排卵日を知りたいのであればオギノ式と排卵検査法を併用してみるのがおすすめです。

【基礎体温法】基礎体温から排卵日(危険日周辺)を予測する

排卵日を知るための指標として有名なのが基礎体温です。基礎体温とは、生きる上で最低限のエネルギーのみを使っている時の体温のこと。目覚めて直ぐ、起き上がらずに婦人用基礎体温計を舌の下に当てて計測することができます。

基礎体温を見ると、月経期・卵胞期が低温傾向にあり排卵を境に急激に最低体温を計測すると翌日から体温が上がり黄体期は高温傾向にあります。排卵期が近くなるとガクンと基礎体温が下がるポイントがあり、その前後1~2日の間が予想排卵日です。

基礎体温で排卵日をピンポイントに計測するのは不可能ですが、普段から基礎体温を計測していると、排卵が起こるタイミングや生理が始まるタイミングなども分かってきます。

最近では、「ルナルナ」や「ラルーン」など、毎日の基礎体温を記録することで一般的な統計から排卵期や月経期を推測してお知らせしてくれるアプリも人気です。毎日の記録を残すためにも、便利なアプリを使用してみると良いでしょう。

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【排卵検査法】排卵検査薬で危険日を予測する

排卵日が近付いてくると脳の下垂体から黄体ホルモンが大量に分泌されます。この黄体ホルモンの分泌がピークに達してから10時間以上40時間以内に排卵が起こると予測できます。排卵予測検査薬は尿に含まれる黄体ホルモンに反応、黄体ホルモンの量を測定することで近日中に排卵が起こりそうなのか、もしくは既に排卵が終わってしまっているのかが分かる検査薬です。

妊娠検査薬と同じ要領で、スティック状の検査薬に尿をかけて数分で検査結果が表示されるものが一般的。薬局やドラッグストアなどで購入することができます。

排卵検査法は3つの排卵日予測法の中でも、最も具体的に排卵のタイミングや有無を調べることができる方法です。オギノ式や基礎体温法と合わせて使用することで、更に精密に排卵日を知ることができるでしょう。

排卵日周辺に起こる体の変化

あまり知られていませんが、排卵日周辺になると様々な体の変化を感じる人もいます。些細な変化なので注意深く状態をチェックしないと気付かないことも多いですが、排卵日を予測する1つのポイントになるでしょう。排卵日周辺に起こる体の変化には以下のようなものがあります。

腹痛が起こる

排卵日の前後1~2日に、排卵痛という腹痛を感じる人もいます。生理程酷くないものの、チクチクとした痛みを感じる場合が多く、子宮から左右どちらかにズレた場所で痛みが生じやすいのが特徴です。

卵胞から卵子が飛び出す際に、腹膜を刺激することで起こる痛みでそう長く続くものではありません。

しかし、子宮内膜症などを患っている場合は鎮静剤を必要とする程の激痛を感じることも。排卵痛であまりにも強い痛みを感じる場合には、産婦人科または婦人科を受診した方が良いでしょう。

僅かな出血が起こる

排卵日の前後2~3日に僅かな出血が起こることがあり、これを排卵出血と言います。排卵する際に卵胞が破れて起こる出血ですが、短時間で出血は止まります。出血量はほんの僅かで、おりものが茶色くなる程度やティッシュペーパーに少し血が付く程度である事が多いでしょう。

生理のタイミングでも無いため不正出血を疑う人も多いですが、オギノ式などで排卵日を計算してみると排卵出血の可能性に気付きます。排卵出血は病気ではなく、誰にでも起こり得る症状なのです。

おりものが変化する

排卵日が近くなると、おりものに変化があります。排卵期のおりものは、卵の白身のように強い粘性を持つのが特徴。触れるとしっかりと伸びて、量も多く分泌されます。
この粘り気の強いおりものが、排卵が近いというサイン。3日以上粘りの強いおりものが続くと排卵が近いとされています。

ただし、おりものは個人差も大きく、誰もが排卵期におりものの量が増えて粘り気が強くなるという訳ではありません。おりものの様子がいつもと違うなと思ったら、よく観察してみると良いでしょう。

おりものは女性の健康を表すバロメーターでもあるため、色やにおいに変化を感じたら病気の可能性もあります。その際は産婦人科や婦人科を受診して相談しましょう。

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その他の症状

排卵日付近に起こるその他の症状には【眠気・だるさ・イライラ・腰痛・胸の張り・便秘・肌荒れ】などもあります。生理前とよく似た症状ですが、比較的症状は弱く短期間で解消されることが特徴です。

排卵日周辺に起きる不調の対処方法

排卵日付近に起こる体の変化が不調と感じる際には以下のような対処方法を取り入れてみましょう。

  • 身体を温める
  • 十分な睡眠、休息をとる
  • 適度な運動を行う

体の冷えは内臓への負担も大きくし、痛みを強くしてしまいます。靴下や手袋などで末端からの冷えを防ぐと良いでしょう。排卵期はホルモンバランスが大きく変化するタイミングです。安定して必要なホルモンが分泌されるよう、しっかりと睡眠をとり、十分に体を休息させるのも効果的。

無理の無い範囲で運動を行うことは気分転換になりますし、好きなアロマを焚くことや音楽を聴くことでリラックスするのもおすすめ。リラックスすると副交感神経が優位に働き血行が良くなるので、排卵が近いことによる様々な不調を緩和してくれる作用が期待できます

正しい避妊の知識を身に着けよう

生理や排卵のメカニズムを踏まえて安全日と危険日について解説してきました。生理周期の中で安全日と呼べるような日は存在しないことや、危険日(排卵日)を調べる方法としてオギノ式や基礎体温法・排卵検査法が有効であるということも分かりましたね。

望まない妊娠をしてしまわないためにも、性交渉の際にはしっかりと避妊を行いましょう。安易に安全日や危険日の存在を信じてしまうと、取り返しのつかないことになる場合も。

性交渉の際には、正しい知識を持って自分達に適した避妊方法を確実に行うよう心掛けましょう。 当院では避妊を希望する方に、完全自由診療にてピルを処方しておりますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

宿田 孝弘
宿田 孝弘 ネオクリニック 院長

ネオクリニック院長の宿田孝弘です。私たちのクリニックはとても小さなクリニックですが皆様にとってのコンビニクリニックになれるように努力しますのでよろしくお願いします。

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