生理中にセックスしていいの？大事なイベントごとに重なる時は生理をずらそう！
誕生日のお泊りデートや、遠距離恋愛中の彼との久々のデート。「今日はセックスするかも？」と思った日に限って生理と重なる経験をした事ありませんか？そこで気になる「生理中ってセックスしてもいいの？」という疑問。
この記事では生理中のセックスについて解説。生理中にセックスしたくなる人が多い理由や、性欲を抑える方法、もしセックスをする場合には気を付けたいポイントなども合わせて紹介しています。セックスと生理の関係や対処法を知りたい人は参考にしてみて下さい。
生理中セックスする？しない？
生理中のセックス賛成派には、「生理中は妊娠しないからセックスをしても良い」という人や「生理中はセックスをしたくなるから大歓迎」という人もいます。でも、それって本当に大丈夫なのでしょうか？
一方で「生理痛が酷いからセックスなんてあり得ない」という人や、「経血で汚れるからセックスしたくない」という反対派も。女性側だけでなく、男性側でも同じく意見が分かれますよね。
医学的には生理中のセックスはしてもしなくても良い、と言われています。つまりどっちでも良いということですね。パートナーとの間に同意があれば生理中でもセックスはOK。
しかし、生理中のセックスには正しい知識も必要です。「生理中は妊娠しない」や「性欲のままにセックスしてもOK」という訳ではないので注意しましょう。
生理中セックスを控えた方がいい3つの理由
セックスしてもしなくても良いという事は、「する」にも「しない」にも何らかの理由があるということ。生理中にセックスを控えた方がいい理由を解説していきます。
【理由1】妊娠する可能性がある
「生理中はセックスしても妊娠しない」という人がいますが、これは厳密に言うと間違いです。確かに生理は受精しなかった卵子や妊娠に必要な子宮内膜の排出を目的としていますが、それは必ずしも「妊娠しない」ということには繋がりません。
排卵周期が安定していない人の場合、生理直後に排卵が起こることも考えられます。特に10代は生理周期が不安定であったり、初潮が遅かったりした人の場合は20代前半でも生理周期が安定しない人もいるでしょう。生理直後に排卵された場合、生理中のセックスで子宮内に入った精子と卵子が出会い妊娠が成立する可能性も捨てきれません。
通常2～3日の寿命と言われている精子ですが、最長で5日間生きたという記録があります。出血も治まってくる生理最終日に避妊せずセックスをして、長期間生き延びた精子と本来より早く排卵された卵子が出会い受精することは大いに考えられます。
生理中にセックスをするとしても妊娠を希望しないなら避妊は必要。「生理中は妊娠しない」という噂を信じて、生理中のセックスで避妊をしない人は少なくありません。妊娠を希望しておらず生理中だからといって避妊を怠るのであれば、生理中のセックスは控えた方が良いでしょう。
【理由2】感染症のリスクが上がる
生理中は膣内に多くの血液が集まり充血している状態に。普段通りのセックスをしても、少しの刺激で膣の中に傷が出来てしまうことが珍しくありません。傷が出来てしまっても、経血と混じってしまい出血に気付くことさえ難しいでしょう。
通常なら膣内には自浄作用があり感染力の低いウイルスや雑菌からの感染を防いでいますが、傷口は無防備にウイルスや細菌などを体内に侵入させてしまいます。
そこで恐ろしいのが性感染症のリスクです。生理中のセックスでは、傷口からの感染によるクラミジア、パピローマウイルス、淋病などのリスクが上昇。さらに、それらの感染症が元で子宮口付近がただれてしまうとHIVの感染率は10倍程上昇するとも言われています。
感染症のリスクが高いのは女性側だけではありません。感染症の中には血液を介して伝染するものもあります。経血が付着しやすい生理中は、パートナーも感染症リスクが上昇すると言われています。
感染症の心配が少ないセーフティセックスをするなら、生理中はセックスを控えた方が良いでしょう。
【理由3】子宮内膜症のリスクが上がる
生理中にセックスをすると、本来排出される筈の経血が子宮内に逆流することがあります。
経血が子宮内に逆流する際、雑菌やウイルスなどを子宮内に運び込んでしまう危険性も。子宮内でウイルスや雑菌が増えると、子宮内膜症のリスクを高めるとも言われています。
子宮内膜症は本来子宮内部でできる内膜組織が、子宮以外の部分にできてしまう病気です。痛みや炎症、癒着を起こすこともあり不妊症の原因の1つでもあります。症状の現れ方にも個人差が大きく、軽度でも強い痛みを訴える人や、重度でも自覚症状がない人など様々。
生理中は特にセックスをする場合にも経血が逆流するリスクを考えると、深い挿入や激しいプレイは避けたいもの。この問題にはパートナーの協力も必要です。パートナーの理解を得られないのであれば、生理中のセックスは控えた方が良いでしょう。
生理中は性欲が高まりやすいって本当？
パートナーからの誘いを断れずに生理中セックスをしていた人は、リスクをキチンと説明した上で丁寧に話合ってセックスを控えると良いでしょう。
一方で「生理中は性欲が高まってセックスをしたくなる」という人もいて、生理中のセックスを控えるのがストレスになるというケースもあるようです。
実はこれには理由があり、生理中にセックスをしたくなるのは女性の体の仕組みとしては自然な現象。ここからは生理中にセックスしたくなる人がいる理由や、ストレスを溜めずにセックスを控える方法を紹介していきます。
生理中のホルモンバランスによって性欲が高まりやすい
女性の生理周期はホルモンと密接に関係しています。生理前に減ったエストロゲンは、生理中に段々と分泌量が増加。エストロゲンが増えると女性の体はセックスを受け入れやすい状態になると言われています。胸に張りが出たり、膣が濡れやすくなったりと受け入れ態勢が整いやすくなるという状態です。
それに加えて生理中は、テストステロンという男性ホルモンの分泌も生理周期中では僅かに増加傾向にあります。性衝動を高めるテストステロン、女性は男性の約5～10％ほどしか分泌されていないと言われています。エストロゲンなどをはじめとする他のホルモンと比較すると生理周期の中でも大きな変動はありません。
しかし、わずかな変化ではあるものの生理中はテストステロンの分泌が多くなる傾向にあるため、性欲が高まる原因の1つではないかと考えられています。
生理痛を抑えるために性欲が高まりやすい
生理とセットでやってきやすい気持ちの落ち込みや、腹痛などの症状。「こんな状態でセックスなんて考えられない」と思う人も多いですよね。痛みは体にとって危険信号でもあります。この痛みを軽減すべく脳が求めるものの1つに、エンドルフィンという神経伝達物質があります。
エンドルフィンは脳内麻薬とも言われる鎮静・鎮痛作用を持っている神経伝達物質。睡眠、食欲、性欲など本能的な行動に連動して分泌されていると言われオーガズムによっても分泌されます。
このことから生理中に性欲が増す理由の1つとして、生理痛を緩和するために性欲を高めてエンドルフィンの分泌を促しているのではないかとも考えられています。
ただしエンドルフィンは、膣でのオーガズムよりもクリトリスによるオーガズムからの方が多く分泌されるということが分かっているので、必ずしもセックスが必要という訳ではないことも合わせて知っておきましょう。
生理中セックス以外で性欲を抑える方法
生理中のセックスはできれば控えた方が良いものの、自然現象として性欲が高まるなら何とかしたいと思いますよね。それならセックス以外の方法で性欲を解消してみましょう。続いては、生理中におすすめのセックス以外で性欲を抑える方法を紹介していきます。
ヨガをする
性欲を発散するのに最適な運動。しかし生理中で体も気分も重い時に激しい運動はNGです。そこでおすすめしたいのがヨガ。ヨガは穏やかな動きで体内の血流を整え生理中の大敵である冷えやむくみを予防するのにも最適な運動です。
座位や仰向けでゆったりと行うポーズを選んでヨガをすると、生理の不調を緩和しつつ性欲を抑える効果が期待できますよ。
アロマでリラックスする
生理初日や経血量の多い人は、動くことさえ億劫になることも。そんな時にはアロマでリラックスするのも良いでしょう。
性欲を抑えるだけでなく、気持ちを落ち着かせ不眠改善の効果も期待できるマジョラムのアロマを使うのがおすすめです。自分が心地よいと思える濃さでアロマを使用し、ゆったりと過ごしみて下さい。
マジョラムの他に、カモミールローマン、イランイラン、ゼラニウム、フランキンセンス、ベチバーなども性欲を抑えるのに効果的な香りと言われています。
食欲を満たす
エンドルフィンは食欲を満たすことでも分泌されることが分かっています。健康に害のない範囲で、好きな物を食べてお腹も心も満たしてしまえば自然と性欲は収まってくるでしょう。
ただし体を冷やす冷たい食べ物や飲み物には注意が必要です。またカフェインも多く摂りすぎてしまうと気持ちの落ち込みを助長してしまうなど精神的な興奮作用が悪い方向に働いてしまうケースもあるようです。
生理中どうしてもセックスしたい場合は？
生理中のセックスに関するリスクや、性欲を抑える方法を紹介してきましたが、最初に紹介したように生理中のセックスは絶対にしてはいけないという訳ではありません。生理中にセックスを行う場合は以下の5つのポイントに気を付けてセーフティセックスを心掛けましょう。
- 経血が多い初日～3日目までを避ける
- 生理中でも避妊をする
- ベッドには汚れが目立ちにくいタオルを敷く
- 生理中にタンポンを使用する人は膣が乾燥しやすくなっているため、性行為にローションなどを用いる
- 経血の逆流を抑えるため挿入は浅くする
特に生理中でも妊娠や性感染症を防ぐため、コンドームの使用は必須です。生理中にセックスをするリスクをパートナーにも理解してもらった上で、安全なセックスを行うようにしましょう。
大事な予定の前はピルで月経移動をするのがおすすめ
生理痛が酷い女性の場合、生理中のセックスは絶対に拒否したいということもあるでしょう。また女性側が生理中のセックスを容認していても、血が苦手な男性にとっては避けたい状況かもしれません。
それが大切なイベントや遠距離恋愛中の恋人と会う日に重なってしまうと、お互いにガッカリしてしまいますよね。
大事なイベントに生理予定が重なってしまうことが事前に分かっているなら、ピルを用いた月経移動を行うと良いでしょう。予定に合わせて生理を早めたり遅くしたりすることも可能なので、生理を気にせず大切なイベントやデートを楽しむ事ができるでしょう。
生理を早める方法
生理を早めたい場合、生理の5日目以内（生理の3日目がおすすめ）から低用量ピル（OC）の服用を開始し、最低10日間服用します。
早めにピルを飲み始める必要があり、生理の1日目から5日目までに薬を内服し始めることが必要になるため、ずらしたい生理のひとつ前の生理中に婦人科を受診し、ピルを処方してもらいましょう。
つまり、「生理の1～5日目に受診をする」か、あるいはその生理の直前に受診をして処方を受ける必要があります。
ピル内服中は生理は来ず、服用を中止すると2～3日で生理（消退出血）が来ます。生理（消退出血）は約5日間程あるので、イベント開始の8日前くらいにピルの服用を中止するスケジュール感になります。
生理を避けたい期間中にピルを飲む必要がないので、生理が終わり体調が良好な時期にイベントを迎えられるメリットがあります。
生理を遅らせる方法
生理を遅らせる場合、イベント期間中にピルを内服する必要があります。最も早く来ると考えられる生理予定日の1週間前には婦人科を受診するようにしましょう。
生理が来そうな日の約1週間前からイベントの最終日までピルを服用します。内服している間は生理が来ず、飲み終えてから2～3日で生理がきます。
まとめ
生理中のセックスにまつわるリスクや性欲について解説してきました。女性にとって切り離せない生理、上手く付き合っていくには生理がどういったものなのか正しい知識を持っている事も大切です。
生理中のセックスには、妊娠の可能性、性感染症や子宮内膜症のリスクがあることを充分に理解した上でセックス以外の方法で性欲を発散するのがおすすめ。大切なイベントにはピルで生理をずらすことも可能です。パートナーと一緒に生理への理解を深めて、安全にセックスするため生理中のセックスについてよく考えてみて下さいね。
当院では、生理日を移動させる月経移動ピルを処方しておりますので、旅行やスポーツ、結婚式、試験、仕事など、大切なイベントの日にどうしても生理をずらしたい時はご相談ください。
