基礎体温で知る心と体の変化!生理中は?ピルを飲んだ時はどうなる?あらゆる疑問を解決!
女性の体内で起こる変化を知ることのできる基礎体温。何となく名前は聞いたことがあるけれど、測定方法や基礎体温を測るメリットを知らない人も少なくないでしょう。
この記事では基礎体温の測り方から生理周期による変化、メリットやピルを服用した場合に起こる基礎体温の特徴を紹介。
この記事を読むことで、基礎体温の測り方や見方が分かるようになります。
これから基礎体温を測ってみようと思っている人は測り方や記録方法、観測方法の参考にして下さい。
基礎体温とは
基礎体温とは、人が最低限必要とするエネルギーを使っている時の体温のことです。
人が最低限のエネルギーを使っている時というのは、簡単に言えば寝ている時。
ただし、寝入ってすぐだとまだ体は様々な活動を続けている状態です。
深い睡眠状態に入り、体が生命を維持するのに必要なエネルギーを使っている時の体温こそが基礎体温と言えます。
通常の体温は眠っている内に下がり切り、体温が日中に向けてドンドン上昇。運動や食事により代謝が上がりきる夕方から夜にかけて最高値になります。
こういった1日を通しての体温変化は男女共にみられる現象ですが、基礎体温が変化するのは女性のみ。
女性ホルモンの分泌と密接に関係する基礎体温の変化は女性特有のものです。
基礎体温の正しい測り方
基礎体温には正しい計測方法と記録方法が欠かせません。続いては基礎体温の測り方について解説していきます。
準備するもの
基礎体温を測るには、【婦人体温計・基礎体温記録表】の2点が必要です。
婦人体温計は通常の体温計と違い、小数点二桁まで体温を測ることが可能。
基礎体温の変化は0.3~0.5とごく僅かなので細密に計測できる婦人体温計でなければ正しく測定できません。
基礎体温表については、「ルナルナ」や「ラルーン」などのアプリを利用する方法もおすすめ。基礎体温を入力するだけで自動的にグラフ化されるので、変化が一目で分かるようになります。
婦人体温計や基礎体温表は薬局やドラッグストアの他、医療機関で販売されていることもあります。
機能や価格を比較検討して、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
測り方
朝起きてから起き上がったり動いたりしてしまうと、運動エネルギーが発生して正確に基礎体温を測ることができなくなります。
寝る前に枕元などに婦人体温計を用意しておき、最小限の動きで体温を測りましょう。
もちろん、計測中も横になったままなるべく動かないでいる事が大切です。
計測場所は、舌の下にある中央のすじ部分。婦人体温計を差して舌で押さえ口を閉じ計測を行いましょう。
基礎体温は眠り始めて4時間以上経過した明け方が最も体温の低い時間帯となります。
4時間以上の睡眠をとった上で、毎朝起きてすぐに計測するのが良いでしょう。
もしも仕事の都合上昼夜が逆転していまっているという人は、寝起きの時間に計測するようにして下さい。
基礎体温表が2層に分かれるなら、生活に合わせた起床時間の計測でも問題ありません。
ただし、基礎体温表が高温期と低温期の2層にならない場合は計測方法を変えてみましょう。
4時間以上の睡眠をとった明け方に一度起きて基礎体温を計測し、二度寝する方法を試してみるのがおすすめです。
正確な基礎体温を測れる条件を満たしても、2層化しない場合に基礎体温の異常を疑います。
記録方法
基礎体温表に記録する際には、計測した体温を表に点で記入していきます。
継続した計測日の点だけを直線で結び折れ線グラフを作成しましょう。
一般的な基礎体温の温度変化
基礎体温は個人差が大きくでるものですが、一般的に、
- 高温期…36.7度前後
- 低温期…35度台
の人が多いと言われています。
さらに平熱が高い人の中には、高温期になると基礎体温が37度を超えるというケースも珍しくありません。
注意点
基礎体温を測る上で最も難しいのが「継続する」ということ。ついつい忘れてしまうと「また一から計測し直すのは面倒」と思う人も少なくないでしょう。
基礎体温は継続して計測できるに越したことはありませんが、1日や2日計測を忘れてでも計測を続けることが大切です。
体温の推移を見れば、継続していなくとも高温期と低温期の区別はつきます。忘れたからといって止めてしまわず、次の日から再び計測するのが良いでしょう。
基礎体温表に記入する際は継続していない日は折れ線グラフを繋げず、継続した日だけを結ぶようにします。
また、風邪や薬の服用、強いストレスなどは基礎体温の変化に大きく影響します。いつもと違う状態で基礎体温を計測した日には、その旨を基礎体温表にメモしておくと良いでしょう。グラフが異常を起こしている原因を探すヒントになります。
基礎体温の変化と低温期・高温期の特徴
理想的な基礎体温は、比較的低い基礎体温が続く低温期と比較的高い基礎体温が続く高温期の2層になることです。低温期と高温期には以下のような変化が起こるケースもあります。
低温期の特徴
月経開始と共に始まる低温期。排卵まで続く低温期ですが、実は女性の体が最も良い状態になっている時期に当たります。
特に、月経終了後から排卵日の2~3日前までの期間は、エストロゲンという卵胞ホルモンが多く分泌され身体的にも精神的にも安定しやすい傾向に。この期間中は肌の調子がよくなり、活力的に行動をおこしやすい人も少なくありません。
排卵が2~3日後に迫ると共に、プロゲステロンという黄体ホルモンの働きで基礎体温が徐々に上がっていきます。この時期は、ニキビや吹き出物などの肌トラブルが起きやすくなる人が多いです。
高温期の特徴
排卵してから生理が始まるまでの間が高温期。高温期は低温期と違い、概ね14日程度です。多少個人差があっても、極端に長かったり短かったりする場合は妊娠や婦人系の病気を疑います。
プロゲステロンという黄体ホルモンが盛んに分泌されるこの時期は、集中できない、強い眠気、倦怠感、イライラするなど、いわゆる「生理前症状」を起こす人も少なくありません。
マイナートラブルの起こりやすい時期なので、心も体もゆっくりと休めるようスケジュール管理をしてあげると良いでしょう。
生理周期による基礎体温の変化
基礎体温の変化は生理周期とも密接に関わっています。続いては生理周期ごとの基礎体温の変化について解説していきます。
生理周期とは
女性ホルモンの変化に伴い、女性の体の中では生理周期が4期に分けられます。
- 月経期…妊娠が成立しなかったため子宮内膜を月経として排出する時期
- 卵胞期…卵巣の中で卵子の成長を促す時期
- 排卵期…成長しきった卵子を排卵する時期
- 黄体期…厚くなった子宮内膜を維持し妊娠しやすい環境を維持する時期
月経期の基礎体温
高温期からガクッと基礎体温が下がると月経期に突入し、下がった基礎体温を維持する形で低温期が始まります。
しかし、ストレスやホルモンバランスの乱れによって低温期になっても基礎体温が下がりきらないケースも珍しくありません。
最低でも高温期との差が0.3~0.5度程あれば問題はありませんが、低温期になっても高温期と変らない状態が続くようであれば医師に相談してみると良いでしょう。
卵胞期の基礎体温
月経期が終われば卵子の成長を促す卵胞期に突入します。卵胞期の間も基礎体温は低温期となりますが、月経期が終わると卵胞ホルモン・エストロゲンが分泌される事で心身の状態は大きく変化します。
所謂「キラキラ期」と呼ばれるこの時期は、女性にとって心身共に過ごしやすい時期でしょう。
卵胞の成長具合には個人差が出るため、低温期も全ての人が一定という訳ではありません。この卵胞における低温期期間の違いこそが生理周期の個人差となります。
排卵期の基礎体温
成熟した卵子が排出される排卵期には、低温期だった基礎体温がさらにもう一段階下がり徐々に上昇。ここで基礎体温が低体温よりも上がっていき、2層化されると排卵したことが予測できます。
ちなみに、低温期からさらに下がった基礎体温を「最低体温」と言います。ここでよく勘違いされるのが「最低体温日=排卵日」というもの。
最低体温日に必ずしも排卵されているという訳ではないので注意しましょう。
しかし、最低体温日の1~2日前後に排卵されているという可能性は高いので、最低体温日は排卵日の目安程度に認識するのが一般的です。
黄体期の基礎体温
妊娠に向けて厚くなった子宮内膜を維持する黄体期。黄体ホルモンの影響により、女性の体は様々なマイナートラブルに見舞われます。
一方で基礎体温は高い数値を維持する高温期に切り替わり、2週間継続。この期間は一般的に変動がなく、2週間以上高温期が続く場合には妊娠や婦人科の病気を疑います。
基礎体温を測る5つのメリット
基礎体温を測ることで得られるメリットには以下のものが挙げられます。
【メリット1】生理周期を予測できるようになる
女性ホルモンは生理周期と密接しているものです。つまり、女性ホルモンに影響を受ける基礎体温の変化を知ることは、生理周期を予測することに繋がります。
生理周期が安定している人の場合高温期が14日過ぎた頃に生理が始まるので、基礎体温で生理のタイミングが予測できるようになります。
【メリット2】排卵の有無を予測できるようになる
基礎体温から排卵日を正確に把握することはできませんが、低温期から高温期への移り変わりを確認することで排卵が起こったかどうかを予測することは可能です。低温期からさらに下降していった体温が、急上昇すると排卵が行われたと推測できます。
低温期から高温期に移り変わる期間中に性行為を行った場合、避妊法の有無によって妊娠の可能性があるのかどうかも予測できるでしょう。
【メリット3】妊娠の有無を予測できる
女性の体は妊娠が成立すると、排卵を経て跳ね上がった高温期が胎盤の完成する妊娠14週頃まで続きます。通常2週間で低温期へと移り変わる高温期が2週間以上続く場合には、妊娠の可能性があるということ。
基礎体温で妊娠の可能性を予測した際には、妊娠検査薬で検査をしてみましょう。
【メリット4】病気の有無を予測できる
女性ホルモンに影響を受ける基礎体温は、女性特有の病気を発見する指針にもなります。
●妊娠していないのに高温期が続く場合
内科的病気の可能性
●高温期が14日間よりも極端に短い場合
黄体機能不全の可能性
●毎月定期的に月経があるのに基礎体温が2層化しない(高温期がない)場合
無排卵月経の可能性
●低温期が24日以上続く場合
稀発月経、月経異常、多嚢胞性卵巣症候群、早期閉経の可能性
特に女性特有の病気は自覚症状の少ないものが多いため、基礎体温の異常をきっかけに受診し病気を発見するケースも珍しくありません。
【メリット5】ダイエットに適した時期を予測できる
低温期と高温期の特徴などを把握しておけば、ダイエット計画を立てる目安にもなります。
例えば、太りやすく便秘を起こしやすい高温期中はダイエットには向きません。ダイエットを頑張るなら低温期の方が効率よく減量できるでしょう。
また、高温期に太りやすいことを意識して、便秘解消に効果的な食事メニューを取り入れたり意識して食べすぎないようにしたりするだけでもダイエットに効果的。
その他にも、気持ちも体も活動的になる低温期中盤に旅行や遊びの予定を入れて、体調不良や気分の落ち込みを起こしやすい高温期後半はゆっくり休息できるようにするのもおすすめ。
基礎体温を把握することは、自分の体と上手く付き合う方法を知ることでもあります。
ピル服用中の基礎体温の特徴
これまで通常の基礎体温の変化について解説してきましたが、1つ例外があります。それが、ピルを服用している人についてです。
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが含まれているため、通常とは異なるホルモンの変化が体内で起こります。
そのため、低温期が通常より高めになりグラフがハッキリとした2層にならない事が多いでしょう。
ピル服用中は2層化することに拘らずに、基礎体温を計測するのがおすすめです。
まとめ
目には見えない女性の体の状態を教えてくれる基礎体温。手軽に測ることができるので、是非思い立ったその日から継続して計測してみると良いでしょう。ホルモンの推移を知ることで、より快適に毎日を過ごせるよう基礎体温を計測してみて下さいね。