生理前・生理中のむくみ対策6つ!足や顔がむくむ理由も徹底解説
多くの人が経験したことのあるむくみ。手足に起こると圧迫感や鈍痛を感じるし、顔に起こると見た目が気になってしまいますよね。
女性の場合、生理前や生理中に顔や手足がむくんでしまうという人は少なくありません。
この記事では、生理とむくみの関係について徹底解説します。むくみが起こる原因や予防する方法、むくんでしまった時の対処法についても紹介しているので参考にしてみてください。
むくみとは
むくみとは、さまざまな要因によって血管やリンパ管から水分が滲みだし、皮下組織などに蓄積してしまう症状を指します。一般的には「浮腫み(むくみ)」と呼ばれますが、医療用語では「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれる症状です。
むくみが起きた部位は、圧迫感を感じ症状が酷い場合にはジワジワと締め付けられるような鈍い痛みを感じることもあります。むくみは手足などの末端部位の他、顔や首にも症状があらわれやすいのが特徴です。
むくみの原因
むくみの原因にはさまざまなものがあります。続いては、むくみの原因を紹介していきます。
食生活
むくみは、体内の塩分濃度が濃くなることで引き起こされます。そのため、食事で塩分を摂り過ぎると翌朝むくみが起きてしまうことも珍しくありません。
これは濃くなり過ぎた体内の塩分濃度を薄めるために、体が多くの水分を蓄えようとすることが原因です。
また、体内の塩分濃度が高まった場合、浸透圧によって本来なら尿として排泄される水分が排泄されず、血管やリンパ管に留まってしまいます。行き場をなくした水分が皮下組織に溜まりむくみが起きてしまいます。
ホルモンバランス
ホルモンは体のさまざまな働きに影響を与えます。女性ホルモンの一種である黄体ホルモンには、体内に水分を溜め込む働きがあります。これは、妊娠に備えて水分や血液を多く保とうとするためです。
黄体ホルモンの分泌が盛んになると、体は水分を溜め込みやすくなり過剰な水分がむくみとなって現れます。妊娠することなく黄体ホルモンの分泌量が平常時に戻ると、体内の水分量も適切な状態に戻るのが特徴です。
病気
むくみの根本的な原因のひとつに病気があります。甲状腺機能や腎臓、すい臓など自律神経やホルモンなどを司どる機関に病気があると、体がむくみやすくなることがあります。
その他、むくみには血液循環も関係しているため心臓や血圧に関わる病気が疑われることもあるでしょう。
生理前や生理中にむくみがでる理由
生理前や生理中に手足や顔がむくむ場合、以下の原因が考えられます。
- ホルモンバランスが乱れるから
- ストレスを感じやすくなるから
- 自立神経が乱れやすくなるから
生理前、生理中の体の変化を交え、それぞれの期間で体がむくむ理由を解説していきます。
生理前にむくみがでる理由
生理前は高温期と呼ばれ、黄体ホルモンの分泌が盛んになります。そのため、体は水分を溜め込みやすくなり、むくみがでる事があります。
生理前にさまざまなマイナートラブルが起こる生理前症候群(PMS)の症状でもあり、PMSの症状の場合は生理が始まると症状が治まるのが特徴です。
女性のホルモン周期のなかでも最もむくみが起こりやすい時期であり、人によってはむくみによって体重が増加してしまう人もいます。
生理中にむくみがでる理由
生理中は、高温期に増加した黄体ホルモンが急激に減少し、自律神経が乱れやすくなります。そのため、血流が滞りむくみが出ることも珍しくありません。
また、自立神経が乱れると精神的にも不安定になりがちです。イライラしやすく、ストレスを感じることでさらに自立神経は乱れ、むくみが起こりやすくなります。
生理によるむくみはいつ治る?
生理が原因で起こるむくみの多くは、生理1週間前程から症状が現れ、生理が始まると徐々に落ち着いていく傾向にあります。
生理中に起こるむくみは、生理が終わるタイミングに合わせて落ち着いていくことが多いです。
生理が終わってもむくみの症状が落ち着かない場合、日々の食生活や病気など他の原因によって引き起こされている可能性があります。生理前後以外の期間も継続してむくみが出るようであれば、医師に相談してみた方がよいでしょう。
生理によるむくみ予防策6つ
生理が原因で起こるむくみは、適切な対策を行うことで予防することが可能です。適切な予防策をとって、生理前や生理中のむくみが起こりにくいようにしましょう。
予防策1.塩分を控える
過剰な塩分を摂取すると、体内の塩分濃度を薄めるために体は水分を溜め込もうとします。特に生理前の黄体ホルモン分泌が盛んな時期には注意が必要です。
生理前にむくみが起こりやすい人は、排卵日が終わった頃から意識して塩分を控えるのがおすすめです。
予防策2.カリウムを摂る
カリウムには、体内の水分バランスを調整し過剰な水分を排出する働きがあります。そのため、むくみ対策に適した栄養素です。
生理の度にむくみが出る人は、生理前から積極的にカリウムを摂るのがよいでしょう。
〇カリウムを多く含む食べ物
さつまいも、トマト、トウモロコシ、オクラ、バナナ、きのこ類、海藻類など
予防策3.水分を摂り過ぎないようにする
人間の体が正常に機能するためには、成人の場合1日約2.5Lの水分が必要と言われています。しかし、全てを飲み水から補う必要はありません。私達は代謝によって水分を作り出すこともでき、食事にも多くの水分が含まれているからです。
1日に体内で作られる水分は約0.3L、食事から摂れる水分は約1L、つまり飲み水として1.2Lの水分が必要です。
むくみが出やすい時期には、1日に必要な水分をよく意識し過剰な水分摂取を控えるのがよいでしょう。
参考:「健康のため水を飲もう」推進運動 | 環境省 (env.go.jp)
予防策4.血流をよくする
血流を良くすることで、手足などの末端に起こるむくみを予防することができます。血流を良くするにはさまざまな方法があるため、体調やライフスタイルに合った方法で対策してみてください。
適度な運動をする
ウォーキングやストレッチなど、軽い運動をすることで血流がよくなりむくみを予防できます。有酸素運動には自律神経を整える効果も期待できるため、むくみ予防の運動として適していると言えるでしょう。
軽く汗をかく程度に運動することで、過剰な水分も排出されてむくみを予防できます。
足をあげる
足はむくみやすい部位のひとつです。足先に伝わった血液は、血圧の力によって重力に逆らって心臓に戻っていくため、他の部位に比べて血流が滞りやすいと言えます。
長時間立った状態が続く日などは、足を高い位置に上げてスムーズに血液が流れるようにして休息するのも、むくみ予防におすすめです。
マッサージする
マッサージをすると、血流が改善されるためむくみの予防につながります。ふくらはぎや二の腕など、筋肉が多く末端から血液を送り出すためのポンプ機能を担う部分を重点的にマッサージしてみてください。
足湯をする
冷え性の人は、末端の血管が細く収縮し血流が滞りやすいため、むくみやすい傾向にあります。足湯をして末端を温めることで血管が拡張され、血流の改善・むくみの予防が期待できます。
予防策5.塩配合の入浴剤を使用する
バスソルトなどの塩分を含む入浴剤を使用するのも、むくみ対策としておすすめです。
バスソルトなどの塩分を含む入浴剤には、代謝を高めて発汗を促す効果が期待できます。発汗することで余分な水分を排出し、むくみの予防に繋がるでしょう。
予防策6.充分な睡眠をとる
自律神経は睡眠不足によっても乱れやすくなってしまいます。生理前や生理中は、普段よりも充分に睡眠をとる事を意識しましょう。充分な睡眠をとることでホルモンバランスも安定しやすくなるため、生理前や生理中のむくみ予防にも効果が期待できます。
むくみが酷く痛みがある時には漢方やサプリ・ピルの服用も検討してみて
さまざまな対策をとっても、体質によっては痛みを感じるほど体がむくんでしまう人もいます。セルフケアで対応できない場合には、むくみを改善する漢方やサプリなどを検討してみるのもよいでしょう。
また、ホルモンバランスなどが原因で起きているむくみに対しては低用量ピルの服用も効果が期待できます。低用量ピルは副作用としてもむくみが出る場合もありますが、ホルモンが安定すれば解消されます。
酷いむくみで生活に支障がある場合には、医師に相談してみてください。
生理前や生理中に足がむくんで痛い時の対処法
充分に対策をしていても足がむくんでしまった場合、以下の対処法を実践してみてください。
- 着圧ソックスを履く
- ストレッチする
- 足を高くあげて休む
- バスソルトを使う
- ツボを刺激する
足には、「三陰交」「足三里」「血海」と呼ばれる、むくみ改善に効果的なツボがあります。それぞれのツボを痛みを感じない程度にゆっくりと圧迫することで、素早くむくみを解消する効果が期待できます。
生理前や生理中に目や顔がむくんでしまった時の対処法
生理前や生理中に顔がむくんでしまった場合、以下の対処法を実践してみてください。
- 肩や首を温める
- 顔を温めたり冷やしたりする
- ツボを刺激する
肩や首を温めると血流がよくなり、顔のむくみを改善する効果が期待できます。また、温かいタオルと冷たいタオルを用意し、交互に顔を温めたり冷やしたりする温冷法もおすすめです。
足同様、顔にもむくみ解消に効果が期待できる「攅竹」「太陽」「百会」などのツボがあるので、じっくり圧迫してみてください。
まとめ
生理前や生理中はさまざまなマイナートラブルが起こりがちです。むくみをはじめ、生理に関わって起こるマイナートラブルはついつい「仕方ないもの」と考えてしまう人も多いでしょう。
しかし、できる限り快適に日々を過ごす事を考えるのであれば、対策を行うのがおすすめです。今回紹介した予防策でも対処が難しいのであれば、医師に相談してみてはいかがでしょうか。
必要に応じて漢方やピルの処方なども検討可能です。自分自身が日々を健やかに過ごせる方法を選んでみてください。