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コラム

HIVとは?エイズと違うの?HIV感染症の症状・原因・治療法について徹底解説

HIVとは?エイズと違うの?HIV感染症の症状・原因・治療法について徹底解説

HIVやエイズは感染症として有名な病気です。世界でも感染者や発症者が多くいます。性感染症として有名になった経緯もあり、誤った知識で誤解や偏見を持たれていることも少なくありません。

この記事では、HIVやエイズについて徹底解説。混同されがちなHIVとエイズの違いや、HIVの特徴、感染経路、予防方法、検査方法、治療方法などを紹介します。
HIVやエイズに対して正しい知識を持つための参考にしてみて下さい。

HIVとエイズ

HIVとエイズ

HIVとエイズは混同されがちですが、それぞれに違う意味を持つ言葉です。

HIVはHuman Immunodeficiency Virusの頭文字を取った略語で、日本語ではヒト免疫不全ウイルスと言います。

一方、エイズ(AIDS)はAcquired Immunodeficiency Syndromeを略した言葉。後天性免疫不全症候群という病気の名前です。

つまり、HIVはウイルスそのものを指し、エイズはHIVによって引き起こされる病気を指します。

HIVとは

HIVは血液や一部の体液、粘膜などに潜むウイルスです。HIVが体内に侵入すると、血液中の免疫細胞に感染。免疫細胞を死滅させて、体の免疫機能を低下させます。

HIVによって免疫力が極端に低下した場合、健康な状態なら発症しない微弱なウイルスや細菌に感染し病気を発症、重篤化してしまうこともあります。これを日和見感染と言います。

HIV自体は直接生死に関りませんが、免疫力が低下することで他の感染症による疾患を重篤化させてしまう所がこのウイルスの恐ろしい特徴です。

エイズとは

エイズとは、HIVによって引き起こされる病気のこと。さまざまな病気の中でもHIVに感染した上でエイズ指標疾患と呼ばれる病気を発症した場合に、エイズを発症したと診断されます。

エイズ指標疾患には23種類の疾患があり、以下のとおりです。

カンジダ症、クリプトコッカス症、コクシジオイデス症、ヒストプラズマ症、ニューモシスチス症、トキソプラズマ症、クリプトスポリジウム症、イソスポラ症、化膿性細菌感染症、サルモネラ菌血症、活動性結核、非定型抗酸菌症、サイトメガロウイルス感染症、単純ヘルペスウイルス感染症、進行性多巣性白質脳症、カポジ肉腫、原発性脳リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性子宮頸癌、反復性肺炎、リンパ性間質性肺炎、HIV脳症、HIV消耗性症候群

HIVに感染していても、エイズ指標疾患を発症しない人もいます。つまり、HIV感染者全てがエイズ患者になる訳ではないということです。

HIVの感染からエイズを発症するまで

続いては、HIVに感染した際の初期症状やエイズを発症するまでの流れについて紹介していきます。
HIVは感染してからエイズを発症するまで急性期(感染初期)、無症状期(無症候性キャリア期)、エイズ期の3段階に分かれているのが特徴です。

それぞれの発症時期や症状、特徴などを見ていきましょう。

急性期(感染初期)

HIVに感染した最初の段階を急性期と言います。
急性期ではインフルエンザ様症状が現れることがあり、発熱、倦怠感、筋肉痛、嘔吐、リンパの腫れ、皮疹等の症状が見られます。
感染後2週間程で症状が現れ、数日から数週間かけて自然と治まるのが特徴です。

これらの症状は必ず起こるものではありませんが、50~90%の人は急性期に何らかの症状が現れると言われています。
症状が出てもHIV感染と断定できるような特別な症状はなく、検査を行わなければウイルスの存在を知ることもできないため、風邪だと思い込んでいる内に無症状期へ移行してしまう人も少なくありません。

無症状期(無症候性キャリア期)

急性期で症状が治まってから、無症状期と呼ばれる期間が続きます。
無症状期は約10年続くと言われていますが、15年続く人がいれば5年以内にエイズ期へと移行する人も。無症状期の個人差が大きいのもHIVの特徴です。

自覚できるような症状はなく、数年から数十年の時間をかけてHIVが増殖、抗体を減らしていき免疫力が低下します。症状の無いままHIVにより抗体が減少し、免疫不全になります。

HIVの増殖、抗体の減少により免疫機能が正常に作用しなくなると、エイズ指標疾患を発症しやすくなりエイズ期へと移行します。

エイズ期

エイズ指標疾患を発症すると、エイズと診断されます。エイズ期まで進行すると免疫力は既に著しく低下しているため、通常なら健康に大きな影響を与えることのないウイルス・細菌を原因とする感染症などにかかりやすくなります。
その他、悪性腫瘍や神経疾患などさまざまな症状が重複して現れることもあります。

HIVの感染経路と予防方法

HIVは血液や精液、膣分泌液、母乳などを介して感染を引き起こします。
一方で、汗や涙、唾液、尿、便などにより他者へ感染することはないと言われており、感染源や感染経路を理解し適切な予防を行うことが大切です。

次は3つの感染経路と予防方法についてみていきましょう。

性行為または性的接触による感染

HIVは性行為によって感染を引き起こすことがあります。性行為や性的接触では、精液や膣分泌液を介してパートナーへと感染しやすいウイルスです。性器や腸、口などに粘膜や傷から侵入して感染を引き起こします。

特に直腸は傷が付きやすく、アナルセックスはHIV感染リスクが非常に高いと言われています。

血液による感染

HIVは血液中に潜むウイルスなので、血液を介することで感染を引き起こすこともあります。
血液を介する感染では、注射器の使い回しや医療事故による感染が考えられ、覚せい剤使用者の間で注射器の回し打ちによる感染を引き起こした例も報告されています。

日本では1980年代、非加熱の輸血製剤による大規模なエイズ感染が発生。輸血製剤のリスクが明るみになり、現在では加熱を始めとしたさまざまなウイルス不活性化処理を施されるようになりました。
このような様々な対策により、輸血による感染確率は限りなく低いと考えられています。

母子感染

HIVは粘膜や母乳に潜むため、HIV保菌者の女性が出産・育児を行う際子どもへの感染を引き起こすこともあります。

しかし、現在では妊娠初期のHIV感染診断や帝王切開、生まれた子供への予防的抗HIV薬の投与、ミルクでの育児など複数の対策を取ることで母子感染の確率は約0.4%以下と言われています。

予防方法

3つの感染ルートの中で、最も起こりやすいのは性行為や性的接触による感染です。特にHIVは無症状期間が長いため、感染者自身も気付かない内にパートナーへの感染を引き起こすことがあります。

性行為による感染を防ぐためには、精液や膣分泌液を粘膜や傷口に触れさせないことが重要。そこで有効なのがコンドームによる感染予防です。

HIV感染者との性行為を避け、日頃からコンドームを使用することで高い予防効果が期待できるでしょう。

HIVの感染確率

HIVは性感染症のイメージが強いですが、実は性行為による感染確率はそれほど高くありません。コンドーム未使用の性行為を行った場合の感染確率は0.1~1%ほどと言われています。
一方で輸血による感染確率は90%、注射器の使い回しによる感染確率は0.6倍に。

性行為による感染は回数に換算すると1,000回に1回から100回に1回の割合ですが、HIV感染者との1度の性行為で感染する可能性も無いとは言えません。日常的な予防が大切です。

また、梅毒や淋病、クラミジアなどの性感染症に感染している場合、HIV感染リスクは20倍以上になることもあると言われています。
重複感染を起こすと、両方の症状が悪化しやすくなるため、HIVに限らず日頃から性感染症の予防を徹底することも非常に重要です。

HIV感染の検査方法

HIVは急性期に確定的な診断をするのが難しく、風邪だと勘違いしてしまうケースも珍しくありません。
また、無症状期間には何の自覚症状も現れないため、エイズが発症して初めて自分がHIVに感染していたと知る人もいるでしょう。

自分やパートナーがHIVに感染しているか知るためには、検査を受ける必要があります。

検査方法と時期

HIVの感染を調べる検査は、感染している可能性のある日より4週間経過していれば受けることができます。
HIVは感染直後から4週間、検査をしてもウイルスを検出できない「ウィンドウ・ピリオド」という期間を持つのが特徴です。
ただし、検査方法によってはもっと早い時期からHIVを検出できるものや、感染の可能性が高い場合に行う予防的薬剤投与などの対処法もあります。

感染の可能性があると分かった場合には、速やかに医療機関へ相談しましょう。

HIVはウィンドウ・ピリオドを過ぎていれば血液検査により即日診断できます。この検査による結果が陽性であっても陰性であっても、3ヵ月後に再び検査してから診断を確定させます。

当院でも、HIVの迅速検査を実施しているので、ご不安な方は相談にいらしてください。
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どうして2回検査をするの?

HIVはウィンドウ・ピリオドの期間中ウイルスを検出できないため厚生労働省のガイドラインにより2度の検査を行い、感染を確実に診断できるようになっています。

1回目と2回目を異なる検査方法で調べ、HIVの有無を確実に診断することが可能です。HIVの感染拡大やエイズの発症を防ぐために、このような2重チェックの取り組みが行われています。

HIV感染者やエイズ患者と性行為を行ったら

高い確率でHIV感染が疑われる場合、検査を待たずに行う曝露後予防という対処方法もあります。

曝露後予防(通称PEP)では、医療事故やHIV感染者との性行為を行った人に対して抗HIV薬を投与します。感染機会の直後に抗HIV薬を投与することでHIV感染を防ぐ目的です。
曝露後予防は感染機会から72時間以内の抗HIV薬投与が重要とされています。性行為後にパートナーがHIV感染者だと判明した場合などは、迅速に医療機関へ相談して下さい。

治療方法

HIVの感染が発覚した場合、抗HIV薬を服用してHIVの増殖を抑える治療が行われます。治療には1日1回の内服が必要ですが、これでHIVの検出量を他人へ感染させないレベルまで引き下げることも可能です。
HIVの増殖を抑えられれば、高い確率でエイズの発症を防ぐこともできます。何より早期の服用開始が重要な治療法です。

HIV感染の早期発見が重要!エイズは「死の病」ではない

エイズは死の病ではない

一時は有効な治療法がないとされて「死の病」というイメージの強かったエイズ。現代でもHIV全てを取り除くような治療方法は確率されていないため、完治は難しいでしょう。

しかし、早期発見と治療を受けることで生涯エイズを発症させず日常生活を送ることもできます。感染の可能性がある場合、進行を防ぐためにもPEPや検査を受けることが大切です。

早期発見はもちろん重要ですが、HIVは長い無症状期間を持つため未だにエイズを発症して感染を知る人も多くいます。気付かない内に自分自身も感染し、パートナーなどに感染させている可能性もあるのです。

まずは、日頃からコンドームによる感染予防を徹底しましょう。特定のパートナーが居る場合は、お互い事前に検査を受けて陰性と確定されれば感染のリスクは殆ど無いと考えられます。

感染してしまった場合には早期発見・治療が大切ですが、まずはHIVについて知り、感染を防ぐ取り組みから始めると良いでしょう。

まとめ

HIVについて、エイズとの違いや症状、感染経路、検査方法、治療方法などについて紹介してきました。日本ではピークである2013年以降、HIV感染が減少傾向にあります。しかし、毎年新規感染者やエイズ発症者は現れ続けています。

また、自分がHIVに感染している事に気付いていない人がいる可能性もあるでしょう。感染経路の多くは性行為を介したものです。日常的にコンドームを用いた性感染症の予防を行うことが何よりも大切だと言えるでしょう。

感染症であるため世の中ではHIVやエイズに対する誤った認識や偏見も少なくありません。HIVやエイズの正しい知識を持って、自分自身の予防やHIV保菌者との接触について考えてみて下さいね。

当院ではHIVの検査を実施しておりますので、ご不安な方は相談にいらしてください。

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この記事の監修者

宿田 孝弘
宿田 孝弘 ネオクリニック 院長

ネオクリニック院長の宿田孝弘です。私たちのクリニックはとても小さなクリニックですが皆様にとってのコンビニクリニックになれるように努力しますのでよろしくお願いします。

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