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コラム

緊急避妊薬(アフターピル)はいつから薬局で買える?ピル市販化の議論や経緯のまとめ

緊急避妊薬(アフターピル)はいつから薬局で買える?ピル市販化の議論や経緯のまとめ

緊急避妊薬として知られる「アフターピル」は、以前から使用や市販化の是非について活発な議論がなされてきました。一見薬局で気軽に買えるようになれば便利なように感じますが、反対派にも理由があります。
また、避妊に対する日本と海外での認識の違いも、アフターピルの普及に影響を与えているようです。

そこで今回はアフターピルについて交わされている議論の内容や経緯について、様々な角度の意見をご紹介していきたいと思います。

アフターピルとは?

アフターピルとは、性行為の後72時間以内に服用することで高い確率で妊娠を防ぐ効果が期待できる薬です。無防備な性行為から服用時間が早ければ早いほど高い効果が期待でき、時間が経つにつれて効果は低下しますが、最近は120時間以内でも高い避妊効果が期待できる最新のアフターピルもあります。

アフターピルは、内服すると排卵を止める、もしくはタイミングを遅らせることができるため、妊娠を防ぐのに効果があるとされています。妊娠前に防止するための薬なので、中絶とは異なると定義されています。
他の避妊方法に失敗したり、性暴力の被害にあった時に有効な避妊方法です。

アフターピルの大きな特徴として、性行為の後なるべく早く服用しなければ避妊効果が低下していく点が挙げられます。そのため、アフターピルを入手したい状況では緊急性が求められる場合が多いです。それでアフターピルを市販化しても良いかどうかの議論が活発になされているのです。

アフターピルは現状どこで購入できる?

現状日本ではアフターピルを薬局で購入することはできません。アフターピルの処方には医師の診察が必要で、薬を入手するためには必ず病院へ行かなければいけません。

2020年現在、日本で承認されているアフターピルは「ノルレボ」とその後発薬(ジェネリック医薬品)である「レボノルゲストレル」いう薬です。アフターピルは2011年に日本で初めて承認された薬で、医師の処方によって入手することができます。日本では比較的最近になって承認された薬ですが、海外では20年以上前から使用されており、副作用が少なく安全性が高いとされています。

アフターピルは保険適応されないため、高価なのも特徴です。ジェネリック薬品の開発により、価格が低いものも販売され始めましたが、それでも6000円から2万円ほどと、他の薬に比べると高価なのが現状です。

現状では市販化されていないアフターピルですが、近年では法律改正の流れが強まりつつあります。どのような話し合いや動きがなされているのか、続いてご紹介したいと思います。

アフターピルについての法律改正の流れ

アフターピルの法律改正については以前から議論がなされていましたが、時代の変化とともに議論の流れも変化しつつあります。

2017年に厚生労働省の検討会で行われた議論では、アフターピルの薬局での販売は「時期尚早」として見送られました。また2019年にはオンライン処方について議論されましたが、知識のない若い女性の悪用を懸念する医師からの声も上がり、前向きに進む流れではありませんでした。

しかし、最近2020年10月8日に開かれた内閣府・第5次基本計画策定専門調査会で、アフターピルを処方箋なしで購入できるよう検討する方針が打ち出され、時期は2021年からと具体的に踏み込んだ報道も行われたことで、この件についての多くの関心を集めました。
こうした動きの背景には、これまで市民団体が厚労省に要望書を提出し続けてきた長年の活動の結果とともに、コロナ禍にあって10代からの妊娠相談が増加している、という背景も影響していると考えられます。

今回の調査会の基本的な考え方の案には次のような文言があります。

「緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上で対面で服用させることを条件に、処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する。」

つまりこの案が実行されれば、病院にかかることなく、薬剤師のいる薬局でアフターピルを購入できるようになる、ということです。

ここまでが、法律改正に関係し政府が議論してきた内容ですが、医師や専門家、また一般の人たちを含む世間の声はどのようなものでしょうか?続いてご紹介していきます。

アフターピルに対する世間の声は?

アフターピルの市販化について、世間ではどのような声が上がっているのでしょうか?専門家と一般市民に分けてご紹介したいと思います。

産婦人科医師たちの意見

NHKの番組「おはよう日本」の中で産婦人科医会の前田津紀夫副会長は、緊急避妊薬を服用しても妊娠する可能性はあること、また薬局では他の避妊方法を伝えることが十分にできない、悪用したい人にとっても敷居が下がる、などを理由として慎重派としての意見を述べています。

日本産婦人科医会の木下会長は、市販化されることで「いつでも飲める」という誤って認識されることや本来1錠でいいものを多量服用してしまう危険などを懸念し時期尚早であるとしています。また、今日の性教育自体に不備があるとも言及しています。

一方、産婦人科医有志グループの一員で市販化に賛成派の産婦人科専門医太田寛さんは、緊急避妊薬において最も大切なのは服薬のスピードであるとしています。地域によっては産婦人科へのアクセスが悪く、72時間以内に服用するという緊急性に対応できないという実情を理由としてあげています。また、話を聞いて処方するだけの薬について、病院で処方しなければいけないという必然性はないことも理由としています。

市民団体の意見

NPO法人「ピルコン」の理事長・染矢明日香さんは、市民団体「緊急避妊薬の薬局での入手を実現するプロジェクト」としても活動し、政府に対して要望書を出し続けてきました。これまでに9万筆以上の署名を集め、一般からの注目度の高さを感じています。コロナ禍にあって緊急避妊薬のアクセスを確実にすることの重要性を訴えており、今回の法改正の流れに「胸が熱くなった」とコメントしています。

一般市民の意見

一般市民の声としては、今までアフターピルに対しての認知度がそれほど高くなかったというのも現実的な一面のようです。初めてアフターピルについて聞いたという声もあります。これは学校での性教育が不足している実情の反映とも言えるかもしれません。

また法改正の報道の際には、「緊急避妊薬を薬局で」のワードがTwitterでトレンド入りするという注目を集めています。Twitter上の意見を見てみると、「知識のない女性の薬の乱用を恐れる」という反対派の医師の意見に対して、「女性に対する無理解である」と憤る声も見られます。Twitter上の意見を見た限りでは、薬局での市販化を求める意見の方が強いように感じました。

アフターピルの普及・日本と海外の違い

ここまでは日本国内でのアフターピルについての現状でしたが、海外ではどのような動きになっているのでしょうか?続いて海外との比較もしていきたいと思います。

海外のアフターピルの販売の現状

日本は海外と比較するとアフターピルの普及において後進国であるということがいえます。
緊急避妊薬のアクセス拡充に取り組むICECのウェブサイトによると、現状少なくとも86カ国で医師の処方なくアフターピルの購入が可能になっています。国際産婦人科連合(FIGO)とICECの共同声明にも、アフターピルは「処方箋なしでの薬局カウンターでの販売に適している」と記載されています。

また、国際機構であるWHOも2018年に「意図しない妊娠のリスクを抱えた全ての女性と少女には、緊急避妊にアクセスする権利があり、緊急避妊の複数の手段は国内のあらゆる家族計画に常に含まれなければならない」との勧告を述べています。

海外の状況を見てみると、医師の処方が必要でないだけではなく、さらにアフターピルを気軽に入手することのできる現状を知ることができます。
その要素の一つは価格です。アメリカやヨーロッパ、また東南アジア各国では、アフターピルが市販化されることにより、多くの種類や低価格帯のものも販売されており、日本円の価値にして数百円程度で購入できるものまであります。

また、イギリスではアフターピルも含め避妊薬は全て無料ですし、ドイツやフランスでは未成年にはピルが無料で提供されることもあるようです。

性に対する考え方の違い

根本を辿ると、日本と海外の性に対する考え方の違いもアフターピルの市販化の違いに影響を与えていると言えます。

日本では海外に比べ性に対して保守的な部分があり、避妊やピルに対しても否定的な意見があるのが現状です。
また産婦人科に通うことについてのハードルも高く、受診しているところを人に見られたくないという気持ちがある人も少なくないため、医師からの適切なサポートを受けづらくなっている現状もあります。

また、日本では「性について語ると寝た子を起こしてしまう」という考え方が根強くあり、性について話すことがタブー化されている節もあります。何も知らない子どもに性について教えるとそれまで性に感心がなかった子が性的なことをしたがるようになるのではないかという考え方です。そのため、子どもはネットなどで性に対して間違った知識を得ることになりかえって深刻な性的問題をもたらすという側面もあります。

アフターピルについても市販化されていないため、海外のネット販売などで購入し、怪しい劣化品を購入してしまい健康被害に遭う可能性もあります。

こうした問題全ての根本にある性についての根底概念についても検討に入れるべき問題なのかもしれません。

アフターピルは今後薬局販売可能に?

賛成派反対派それぞれの意見のあるアフターピルですが、今後法改正し、薬局で販売可能になる流れになっていくのでしょうか?
今後の流れについては今はまだわからない点もありますが、最後に薬局販売が開始された場合どのようなメリットがあるのか、またどのような懸念点があるのかについても、考えてみましょう。

薬局販売のメリット

薬局販売のメリットは高い避妊効果が得られる時間内に病院に行かなければいけないという制限をなくすことができるという点です。タイミングによって病院が休業中であったり、自身の勤務時間と重なり診察に行けない、また地方によっては産婦人科へのアクセスが悪い、という問題を解決することができます。
産婦人科に行くことがためらわれるという方でも気軽に購入できるようになることにはメリットがあると言えるかもしれません。

また、普段コンドーム等の使用により避妊をしていても失敗することがあります。アフターピルを薬局購入することができれば、そのような緊急時に備え手元に常備しておいたり、男性が買いに行くことも可能であるというメリットもあります。

薬局販売の懸念点

アフターピルの薬局販売には懸念点もあります。反対派の医師も述べている通り、一つには薬の乱用が挙げられます。気軽に購入できるようになったとしても、本来の使用法に従って正しく使わなければ効果は得られず、かえって健康被害を引き起こすことになってしまいます。
アフターピルはあくまで緊急時用の薬なので、アフターピルがあるので避妊をしなくてもいいという間違った考えにも注意をしなくてはいけません。

また、薬局で販売される場合にも薬剤師の立ち合いの元、という条件があります。そのため、買いに行った時間が薬剤師の勤務時間外だったなど、予期せず薬が手に入らないという事態が起こる可能性もあります。
市販化されたとしても、「いつでも手に入る」とは考えず、個人で避妊の意識を高く持つことは引き続き大切でしょう。

まとめ

アフターピルについて行われている議論について、色々な角度から解説しました。賛成派と反対派のそれぞれの背景についてご理解いただけたのではないでしょうか。
今後の法改正についてはさらに時期を待つ必要がありますが、個人が正しい性知識を持つことは引き続き重要です。この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。

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この記事の監修者

宿田 孝弘

宿田 孝弘 ネオクリニック 院長

ネオクリニック院長の宿田孝弘です。私たちのクリニックはとても小さなクリニックですが皆様にとってのコンビニクリニックになれるように努力しますのでよろしくお願いします。

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