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コラム

ピルで対策できる!?PMS(月経前症候群)とは?原因・症状・対策を徹底解説

ピルで対策できる!?PMS(月経前症候群)とは?原因・症状・対策を徹底解説

生理前に起こるトラブルの1つ、PMS(月経前症候群)。PMSの特徴は、症状に個人差が大きいことです。
生理前になるとイライラする、気持ちが落ち込む、体調が悪くなる、という人はPMSかもしれません。中には日常生活に支障が出るケースもあります。

この記事ではPMSについて原因や症状を詳しく解説し、PMSに有効なピルについても紹介しています。

「この症状がPMSなのか知りたい」
「PMSの対策を知りたい」
「PMSでピルを使う時の副作用や飲み方について知りたい」

という人は参考にしてみて下さい。

PMSとは

PMSとは
これまで「生理だから仕方ない」と思っていた生理周期に合わせて起こる不快な症状の数々。近年では症名が付いて、世間にも知られる機会が増えました。

PMSもその一つです。最初にPMSがどのようなものなのかについて解説します。

合わせてPMSと一緒に知っておきたいPMDDや、PMSと月経困難症の違いについても紹介しておきます。

PMS

PMSとはpremenstrual syndromeの略称です。日本語で月経前症候群と言います。

PMSは、20~40代に起こりやすい月経にまつわるトラブルの1つです。月経前緊張症や月経前症候群とも呼ばれ、女性全体の約80%がPMSの疑いがある症状を経験していると言われています。

これまで「生理前だから仕方ない」と諦めていたトラブルが、実は適切な治療を必要とする症状だったというケースも珍しくありません。PMSを訴える女性の中で約5%は深刻な症状が現れていて、医療による適切な対処が必要だと言われているのです。

生理にまつわるトラブルは個人差が大きいため、自分自身が特に酷い症状だと気付きにくいこともあります。PMSの知名度が上がるにつれて「ずっと辛かった」「治せるなんて知らなかった」と治療を始める人も増えてきました。

PMDD

PMDDとはpremenstrual dysphoric disorderの略称です。日本語で月経前不快気分障害と言います。PMSよりも精神神経系の症状が強く出るのが特徴です。

怒りのコントロールができなくなったり、情緒不安定になったりと、身近な人との人間関係トラブルを引き起こしてしまうこともあるPMDD。多くの種類の精神疾患がありますが、生理周期に合わせて起こるのはPMDDのみだと言われています。

生理周期に合わせて日常に支障をきたすほど精神的に不安定になる場合、PMDDが疑われます。

PMSと月経困難症の違いは

PMSと似た症状を起こす生理トラブルに月経困難症があります。気持ちの落ち込みやイライラする、強い眠気を感じる、月経過多、酷い生理痛などの症状が特徴です。

PMSと月経困難症の違いは、症状が出るタイミングです。PMSは生理前3~10日程心身の不調が続き生理の開始と共に症状が治まります。一方、月経困難症は生理の開始と共に起こる症状のことです。

生理前に症状が出るのがPMS、生理開始と同時に症状が出るのが月経困難症と判断できます。

【月経困難症】重い生理とはおさらば!実はピルで治療できるって知ってた?

PMSの原因

PMSが起こる原因は未だ解明されていません。しかし、近年の研究では女性ホルモンの一種プロゲステロンの影響を受けている可能性が大きいと言われています。

排卵後、生理開始までに多く分泌されるプロゲステロンは、基礎体温を上昇させ子宮内膜を厚くする働きを持つホルモンです。この時、プロゲステロンの影響を受けて基礎体温が上がることで、身体的な不調が起こっているのではないかと考えられています。

また、生理前は脳内物質・セロトニンの分泌量が低下することが分かっています。セロトニンには気持ちを落ち着かせ、幸福感を感じる作用があります。精神的な影響はセロトニン低下によるものだと考えられるでしょう。

月経周期に合わせてホルモンバランスが大きく変化するのもPMSを引き起こす大きな要因と考えられます。短期間に大きく変動するホルモンバランスにより自律神経も影響を受け、PMSを発症する可能性が高いと言われています。

PMSセルフチェック

自分がPMSかどうかを判断する目安は「日常生活に支障が出ているかどうか」という点です。
「私ってPMSかも?」と思った人は、以下のセルフチェックをしてみましょう。

  • 集中できない
  • 家事などいつも行っている作業ができない
  • 強い眠気や倦怠感がある
  • 心身の不調で仕事や学校を休んでしまう
  • 考えがまとまらない
  • 気持ちが落ち込み他人を受け入れられなくなる
  • 怒りをコントロールできない
  • 劣等感や絶望感を感じる
  • 身近な人と喧嘩をしてしまう
  • 強い空腹感を感じて過食してしまう
  • 生理が始まると同時に症状が消える

多く当てはまる程、PMSの可能性が高くなります。

PMSの症状

PMSの症状にはさまざまなものがあり、症状の強さや症状の現れ方に個人差があります。
PMSの症状は多岐に渡るのが特徴です。その中でも、特にPMSの症状として現れやすいものを、「精神的症状」「身体的症状」「自律神経症状」の3つに分けて紹介していきます。

精神的症状

PMSの精神的症状には以下のようなものが多く見られます。

  • イライラする
  • 不安になる
  • 集中力できない
  • 涙もろくなる
  • そわそわする
  • 孤独感を感じる
  • 他人と関わりたくなくなる
  • 落ち込む

気持ちが目まぐるしく変化する情緒不安定な状態になったり、悲観的になって物事を悪くとらえてしまう抑うつ状態になったりするケースも報告されています。

身体的症状

身体的症状には以下のようなものが多く見られます。

  • 腹痛
  • 頭痛
  • 腰痛
  • 顔や手足のむくみ
  • お腹の張り
  • 乳房の張り
  • 肌荒れ
  • 便秘
  • 関節痛

特に頭痛や腰痛、肌荒れが起きるという経験をした人は多いでしょう。

自律神経症状

自律神経症状には以下のようなものが多く見られます。

  • ほてり
  • 食欲不振
  • 過食
  • めまい
  • 倦怠感
  • 不眠
  • 過眠

めまいやほてりは更年期障害にも見られる症状です。そのため、40代以上でPMSの症状を意識した人の中には「更年期障害が始まったのかも?」と勘違いしている人もいます。

PMS対策

PMSの症状を改善する対策にはさまざまな方法があります。
ここでは薬を使わない方法と、薬(ピル)を使う方法に分けて紹介していきます。

薬を使わない方法

PMSの対策として、規則正しい生活や適度な運動、十分な睡眠、バランスの良い食事を摂ることが効果的と言われています。これらは全てホルモンバランスを整える効果が期待できるからです。

自律神経の乱れを抑えるのにはビタミンやミネラルを積極的に摂取するのが良いと言われています。
特に自律神経をコントロールするビタミンAやビタミンE、カルシウムやマグネシウムを意識的に摂取しましょう。

  豊富に含む食材
ビタミンA 豚肉、レバー、うなぎ、パセリ、抹茶など
ビタミンE アーモンド、唐辛子、大豆、かぼちゃなど
カルシウム 乳製品、大豆製品、モロヘイヤ、小松菜など
マグネシウム 青のり、わかめ、ひじきなど

また、ビタミンB6には幸福感を感じるセロトニンの合成を助ける働きがあります。
精神系症状を感じる人は、唐辛子やにんにく、マグロ、カツオなどビタミンB6を豊富に含む食材も積極的に摂り入れるのがおすすめです。

コーヒーなどに多く含まれるカフェインやアルコールはPMSの症状を悪化させると言われています。PMSの症状が現れている時には、カフェインやアルコールは控えた方が良いでしょう。

体質によっては漢方やハーブ、お灸などで症状が緩和できる場合もあります。自分の体質に合った対策方法を探してみて下さい。

ピルを使う方法

PMSの対策としてピルも有効的

PMSの対策として有効な薬の1つにピルがあります。ピルはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を含む薬のことです。
ピルを毎日服用することで、月経周期によるホルモンバランスの変動を抑え一定に保つことができます。ホルモンバランスの変動が抑えられることで、PMSをはじめとする生理にまつわるさまざまなトラブル改善効果が期待できるでしょう。

避妊だけじゃない!PMSや生理に関わるトラブルでピルを服用している人が増加中

避妊薬のイメージが強いピルですが、最近は生理トラブルや肌荒れの治療などに用いられるケースも増えています。

日本ではPMSをはじめとする生理トラブルが認知されはじめたのが割と最近のことです。しかし、世界では数十年前から生理にまつわるトラブルの研究が進んでいました。世界中の多くの女性が、避妊や生理トラブル改善のためにピルを服用しています。

女性にとって生理トラブルはQOL(Quality of Life:人生の質や生活の質をあらわす指標のこと)を低下させる大きな要因です。
「生理のトラブルなんて女性なら殆どが体験するものだし」なんて考えで我慢をする必要はありません。
PMSをはじめとする生理トラブルをピルによって改善し、QOLを向上させている女性は数多くいます。

快適な生活や美容のためにピルを服用している女性は増えていて、今後も増加していくことでしょう。

PMSで使われるピルの種類

ピルには、ホルモン配合量によって中用量ピル、低用量ピル、超低用量ピルの3種類に分けられます。PMSの改善にはホルモン量が最も少ない超低用量ピルを処方されるケースが多いでしょう。

PMSの改善に処方される超低用量ピルはルナベル、ルナベルULD、ヤーズ配合錠、ヤーズフレックス配合錠の4種類です。飲み方や体質に合わせて、医師が処方します。

PMS対策でピルを服用する際に気になる3つのポイント

これまでピルを服用したことのない人は、副作用や飲み方、買い方など気になる点も多いでしょう。
最後に、ピルを服用する際に気になるこれらの疑問について解説します。

ピルの副作用は?

ピルの副作用には、吐き気、頭痛、不正出血、むくみなどがあります。しかし、低用量ピルや超低用量ピルの場合、1シートを飲み終える頃には副作用が消失しているケースが多く報告されています。

血栓症のリスクなどもありますが、元々血栓症リスクの高い人でなければ、ピルが原因で大幅にリスクが上昇する可能性は高くないでしょう。

ピルの副作用は、配合されているホルモンの影響を受けて起こるものです。超低用量ピルは低用量ピルよりもホルモン配合量が少ないため、比較的副作用が出にくいと言われています。

また、ピルの種類や飲み方によって副作用の現れ方にも違いがあるようです。医師に相談し、自分に合ったピルを選びましょう。

ピルの飲み方は?

ピルは1日1錠を毎日同じ時間に服用します。ただし、シート内にプラセボ(偽薬)が入っているか、そうでないかによって飲み方が少し異なるので注意が必要です。

偽薬(プラセボ)が含まれる場合

1シートを指示通りに最後まで飲み切ります。1シート飲み終えたら、翌日から新しいシートを飲み始めます。

偽薬(プラセボ)が含まれない場合

1シートを飲み終えた後、7日間の休薬期間をおきます。休薬期間は薬を服用せずに過ごします。7日間の休薬期間後、新しいシートを飲み始めます。

偽薬が含まれないピルを服用している人に多いのが、休薬期間明けの飲み忘れです。初めてピルを服用する人は偽薬が含まれるタイプの方が、服用管理しやすいでしょう。

ピルの休薬期間って何?避妊効果に影響は?休薬しない場合どうなるの?

ピルはどうやって買える?

ピルは医師の処方を受けて購入できます。一般的な薬局やドラッグストアでは購入できないので注意しましょう。

最近はインターネット上で個人輸入したピルが販売されていることがありますが、これは大変危険です。血栓症のリスクが高い人がピルを服用すると重大な副作用が現れることがありますし、インターネットで売られているピルは内容成分も不確かなものです。安全とは言えないでしょう。

PMSの改善にピルを使いたい場合は、まず産婦人科や婦人科に受診をしてから処方を受けるのが基本です。

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まとめ

人によっては日常生活を送るのに支障をきたすこともあるPMS。これまで「女性に産まれたのだから仕方ないこと」と思って我慢をしてきた人も多いでしょう。

現代においてPMSは、改善できる症状です。心身の不調を我慢せずとも、適切な治療を受ければ快適な毎日を過ごすことができます。まずは体や心の声に耳を傾け、生理前に「痛い」「辛い」といったさまざまな症状があるなら医師に相談してみると良いでしょう。

適切な治療を受けた人の多くは「何であんなに我慢していたんだろう」と言います。薬を使わない方法やピルを使う方法など、あなたに適した対策をとってPMSに悩まされない毎日を過ごして下さい。

当院のピルはすべて完全自由診療にて処方しております。病気の治療を目的とする保険診療でのピル処方をご希望の方は、隣接するグループクリニックをご紹介することもできますのでお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

宿田 孝弘
宿田 孝弘 ネオクリニック 院長

ネオクリニック院長の宿田孝弘です。私たちのクリニックはとても小さなクリニックですが皆様にとってのコンビニクリニックになれるように努力しますのでよろしくお願いします。

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