札幌市中央区の産婦人科「ネオクリニック」

完全自由診療の札幌中央区の婦人科。ピル処方/緊急避妊対応

コラム

デリケートゾーン(陰部)のかゆみの症状、原因、治療法を解説

デリケートゾーン(陰部)のかゆみの症状、原因、治療法を解説

「デリケートゾーンのかゆみ、何か病気かな?」「きちんと洗えば治るかな?」と不安に思っている方はいませんか?

婦人科の受診は、内診が恥ずかしいなどの理由から先延ばしにしてしまう方が多いです。しかし、デリケートゾーンのかゆみのほとんどは放っておいても治りません。今回は、デリケートゾーンにかゆみが出る原因や対処法、予防法についてご紹介します。

かゆみを感じたときには、我慢せず早めに受診するようにしましょう。

デリケートゾーンはとても繊細

デリケートゾーンはとても繊細

デリケートゾーンは、とても繊細な部分です。腕などと比べて皮膚が薄いため刺激や乾燥によってダメージを受けやすく、心身のストレスが影響することもあります。

かゆみの原因としては、感染症かそれ以外かに大きく分けられます。いずれの場合でも、デリケートゾーンの症状は婦人科でご相談いただけますので、お悩みの方はぜひ受診してください。

感染症が原因の場合

デリケートゾーンのかゆみは、感染症が原因のことが多いです。かゆみ以外にも症状がさまざまですので、当てはまりそうな疾患があれば早めに受診してください。

細菌性膣症

抗菌薬の使用やストレス・疲労などが原因で、膣内の細菌バランスが乱れると生じます。性感染症ではなく、また、特定の原因菌もありません。

デリケートゾーンのかゆみのほか、熱感(ヒリヒリ感)、おりものの変化(生臭い匂い、白〜灰色、サラサラしている)などの症状が特徴です。

細菌性膣症の詳細はこちら

性器カンジダ症

「カンジダ」というもともと体にすみついているカビの一種が膣内で異常に増殖したときに起こる感染症で、女性には比較的よくある疾患です。

デリケートゾーンのかゆみや熱感(ヒリヒリ感)、おりものの変化(量が増える、匂いがキツくなる、ヨーグルトやカッテージチーズ状の白いカス)などの症状が出ます。こちらも細菌性膣症と同様に、性感染症ではありません。

性器カンジダ症の詳細はこちら

性器ヘルペス

皮膚や粘膜のごく小さな傷から「単純ヘルペスウイルス」が侵入することで感染します。はじめのうちは外陰部の違和感やかゆみ、その後発熱やだるさ、外陰部の潰瘍や水疱による痛みなどが生じます。何度も再発を繰り返しやすい感染症です。

性器ヘルペスの詳細はこちら

クラミジア感染症

日本で最も多い性感染症で、「クラミジア・トラコマチス」という細菌が原因です。

感染者との性交渉(オーラルセックスを含む)によって感染します。男性は排尿時痛や精巣上体の腫れ・痛みなどの症状が出るので気が付きやすいのですが、女性は自覚症状がほとんどありません。

気が付かずに放置していると、感染が子宮や腹部にも広がって炎症を起こすこともあります。

パートナーが感染したときには、自覚症状がなくても婦人科を受診してください。

クラミジア感染症の詳細はこちら

膣トリコモナス

「トリコモナス」という原虫による感染症です。

男性はあまり自覚症状がないのですが、女性はデリケートゾーンのかゆみや痛み、おりものの変化(魚が腐ったような匂い、黄色~緑色、泡状)などが生じます。

膣トリコモナスの詳細はこちら

いんきんたむし

「白癬菌」というカビの一種による感染症です。足の水虫と同じものなので、自分や家族から感染することが多いですが、公衆浴場などもリスクがあります。

デリケートゾーンだけでなく、肛門や太ももなど範囲が広がりやすいというのが特徴です。かゆみが強く、痛みを感じることも少なくありません。

膀胱炎

膀胱炎でも、デリケートゾーンにかゆみを感じることがあります。膀胱に侵入した細菌と同様のものが膣や陰部に感染していて、膣炎や外陰炎を併発している場合があります。

膀胱炎はかゆみのほか、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、尿が濁るなどの症状を感じることが多いです。トイレを長時間我慢すると膀胱炎を起こしやすいので、尿意を感じたら我慢をせず、その都度トイレに行くようにしましょう。

発熱や寒気もある場合は「腎盂腎炎(じんうじんえん)」といって、膀胱炎が少し進行した状態の可能性があります。膀胱炎は自然と治ることも少なくないですが、腎盂腎炎は放置していても治りません。婦人科や内科を受診してください。

感染症以外が原因の場合

感染症以外の場合はほとんどが「かぶれ(接触皮膚炎)」です。かぶれてしまう原因をご紹介しますので、当てはまるものがないか確認してみましょう。

ナプキンなどによる蒸れ

ナプキンやおりものシート自体に対する反応でかゆみが出てしまうことも稀にありますが、多くの場合は「蒸れる」ことが原因です。

経血がついたナプキンはこまめに交換すること、ナプキンやおりものシートがあまり汚れていなくても1日に3、4回程度は交換することを意識しましょう。

尿もれによる刺激

女性は、男性に比べて「尿もれ」を起こしやすいです。

たとえば、妊娠中は大きくなったお腹によって膀胱が圧迫されて、頻尿になったり、尿もれを起こしたりします。出産後は、骨盤底筋という筋肉がダメージを受けているため、尿道の締まりが悪くなって尿もれを起こすことが多いです。

年齢を重ねることでも、尿もれの頻度は上がります。40歳以上の女性の40%は尿もれ症状があるともいわれています。

下着やおりものシート、尿漏れパッドなどに尿が付着したままにしておくと、尿の刺激で肌がかゆくなります。あまり汚れていないように見えても、トイレに行くたびに交換するようにしましょう。

尿もれは治療できます。婦人科や泌尿器科でご相談ください。

下着のサイズや素材

サイズの合わない下着をつけていませんか?サイズが小さいと、デリケートゾーンに下着がピタッと密着し、下着のゴムが当たったり、蒸れたりしてかぶれを生じてしまうかもしれません。

また、下着の素材も蒸れやかぶれの原因になります。アクリルやポリエステルの下着は蒸れやすいので、素材を変えてみるのもよいでしょう。

ラテックスアレルギー

ラテックスアレルギーの方は、コンドームの使用でかゆみが出てしまうかもしれません。性交渉のあとに必ずかゆみや蕁麻疹が出るという方は、アレルギーを疑ってみましょう。

ラテックスアレルギーの方は、「バナナ・アボカド・トマト・キウイフルーツ・じゃがいも・ピーナッツ」などを食べたときに以下のような症状が出ることがあります。

  • 口の中がヒリヒリする
  • 口の周りが痺れる
  • 顔が腫れる
  • 息が苦しくなる

こうした症状は「口腔アレルギー症候群」かもしれません。当てはまる方は、「イソプレンラバー」「ポリウレタン」などでできたコンドームを選ぶようにしてください。

更年期が引き金になることも

更年期が引き金になることも

じつは、更年期には肌トラブルが増加します。

女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、肌の「線維芽細胞」という細胞を活発に働かせ、肌のうるおいや弾力の維持に関わるホルモンなのです。線維芽細胞は、コラーゲンやヒアルロン酸など、みなさんもよくご存じのうるおい成分を作っています。

更年期にはこれらの量が減少してしまい、デリケートゾーンも含めて皮膚が乾燥しやすい状態となります。乾燥することで、下着やおりものシート、汗、尿などの刺激に弱くなり、かゆみが出やすくなるのです。

 

また、更年期にはおりものの量も減少します。おりものは、膣内に入り込んだ細菌を外へ排出するなど、膣内の環境を保つために必要なもの。おりものが減ることで膣内に細菌が入り込みやすくなり、細菌性膣症などを起こすことが増えます。

別の疾患が原因でデリケートゾーンに症状が出ることも

デリケートゾーンの症状は、さまざまな疾患に影響を受けて生じます。たとえば、「かゆみ」では、以下のような疾患の可能性も考えながら診察しています。

  • アトピー性皮膚炎
  • 脂漏性皮膚炎
  • パジェット病
  • 外陰がん
  • クローン病
  • 甲状腺疾患
  • 糖尿病

診察の結果、必要であれば専門の医療機関へご紹介します。

デリケートゾーンのかゆみ予防のために

デリケートゾーンのかゆみを減らすために、対策できることを5つご紹介します。

治療薬は指示通りの期間使う

感染症が原因のかゆみだった場合、抗菌薬の飲み薬や膣錠、外用薬(塗り薬)などを処方いたします。それぞれの感染症で治療期間が決まっていますので、指示の通りの期間治療薬を続けてください。

治療期間が足りないと、感染症が治りきらずに再発してしまいます。また、治療中はピンポン感染(パートナーと感染症をうつし合うこと)を避けるため、性交渉を控えてください。

コンドームを使用する

コンドームは、避妊や性感染症の予防だけでなく、細菌性膣症やカンジダ膣症の予防にも効果的です。パートナーと感染症をうつし合う危険性も減りますので、コンドームを積極的に使用してください。

ストレスを溜めない

精神的なストレスだけでなく、身体的なストレスもデリケートゾーンの症状を起こす原因になってしまいます。運動やアロマなど、ご自身のストレス解消になる方法を見つけましょう。また、しっかり寝て栄養のある食事をとるなど、体を労わることも忘れずに。

デリケートゾーンを洗いすぎない

「匂いがあるのではないか」と不安になって洗いすぎていませんか?

デリケートゾーンを洗いすぎると、膣内の細菌のバランスが乱れ、細菌性膣症などを起こしてしまうかもしれません。

デリケートゾーンの保湿

更年期の方は、かぶれ予防にデリケートゾーンの保湿をするとよいでしょう。

デリケートゾーン専用のオイルや化粧水などが多数販売されていますが、「ヘパリン類似物質」や「白色ワセリン」などでも十分です。含まれる成分によってかぶれを起こすこともありますので、なるべくシンプルな配合で低刺激性のものを使ってください。

まとめ

今回は、多くの女性が悩まされる「デリケートゾーンのかゆみ」について、原因や対策をご紹介しました。

デリケートゾーンのかゆみは、感染症が原因のことも多いです。放っておいてもよくなることは少ないですので、違和感があればお気軽にご相談ください。

Web予約はこちら

Facebook X LINE
|

この記事の監修者

宿田 孝弘
宿田 孝弘 ネオクリニック 院長

ネオクリニック院長の宿田孝弘です。私たちのクリニックはとても小さなクリニックですが皆様にとってのコンビニクリニックになれるように努力しますのでよろしくお願いします。

カテゴリ
おすすめコラム