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コラム

生理不順はピルで改善できる!?原因や受診の目安・ピルの種類や飲み方も解説!

生理不順はピルで改善できる!?原因や受診の目安・ピルの種類や飲み方も解説!

多くの女性に毎月訪れる生理。しかし、中には不定期に起こるという人もいます。そんな生理不順を「遅れているだけ」なんて楽観視していませんか?
生理不順を放置すると、他の病気を誘発してしまう恐れもあります。

この記事は
「生理不順を改善したい」
「自分が生理不順なのか分からない」
「生理不順の治療薬ってどんなもの?」
といった悩みを持つ人の疑問を解決できる内容です。

生理不順について詳しく解説し、生理不順の治療に使われるピルについても紹介しています。
生理不順に悩む人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

生理不順とは

生理不順とは、正常な周期よりも短い間隔や長い間隔で生理が起こってしまうことを言います。
生理が起こらなくなってしまう無月経や、月経が起こっているのに排卵していない無排卵月経などの影響で起こっているケースも少なくありません。

生理不順の種類について知り、自分がどれに当てはまるのか調べてみましょう。

頻発月経

頻発月経とは、24日以内の周期で生理が起こることを言います。生理が月に2回起こるといったケースや、通常より出血する期間が長いのが特徴です。

頻発月経には、卵胞期が短い、黄体期が短い、無排卵月経を起こしている、などの原因が考えられます。
卵胞期が短くなる分には特に大きな問題はありませんが、黄体期が短い場合には他の病気が隠れている可能性もあります。

黄体期が短くなると、子宮内膜が十分に育たないため不妊や流産の原因となることもあります。
また、無排卵が黄体期の短縮を促している可能性も考えられるでしょう。

稀発月経

稀発月経とは、39日以上3ヵ月未満の周期で生理が起こることを言います。
突然生理周期が長くなったり、徐々に周期が延びたりすることもあるのが特徴です。

3ヵ月以上生理が起こらない場合は持発性無月経と診断され、ホルモン異常などの原因が疑われます。

正常な生理のメカニズムと生理不順

正常な生理のメカニズムと生理不順

女性の体内では、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期が1サイクルとして起こります。

卵胞期に育てられた卵子が、排卵期に排卵され、黄体期に厚くなった子宮内膜に受精卵が着床すると妊娠が成立。
受精卵が着床せず妊娠が成立しない場合、子宮内膜が剥がれ落ち月経として排出されます。
生理中も卵子を育てるためのホルモンが徐々に分泌されていくため、卵胞期と月経期は重複していると考えましょう。

卵胞期の長さは個人差が最も多いのが特徴です。短い人で11日間、長い人で24日間と、生理周期の個人差が最も現れやすい時期。平均すると18日間になりますが、実際は12日間前後で卵胞期が終わる人が多いようです。

基本的に黄体期の幅は狭く、多くの女性は11日から14日の間で黄体期が終わり、妊娠していない場合は月経期(卵胞期)に移ります。

卵胞期には幅があり、個人差が出るため、卵胞期の長さによって生理不順を起こしている場合は、それほど心配しなくても良いでしょう。
しかし、黄体期の短さが原因で生理不順を起こしている場合、子宮内膜の成長が不十分となり妊娠が困難になることや無排卵の可能性もあります。
黄体期が長すぎる場合はホルモン異常が疑われます。

基礎体温を測定すると、排卵の有無や卵胞期・黄体期の期間を知ることもできます。
生理不順で受診する際にも、診断材料になりやすいため、気になる人はまず基礎体温を測定してみてはいかがでしょう。

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生理不順の原因

生理不順になる原因はストレスやホルモンバランスの異常、病気の影響、過度なダイエットなどが挙げられます。
その他にも、年齢によって生理不順を起こしてしまうこともあるでしょう。

10代は生理周期が不安定

10代の間は、生理周期が不安定になりやすいと言われています。初潮が起きてから3年以内は特に周期が安定しにくいでしょう。

しかし10代とは言え、無月経が6ヵ月以上続くとホルモン異常などが疑われます。
10代の内は特に生理不順を放置しがち。
ある程度は様子を見ても良いでしょうが、異常が疑われる場合は受診や治療が必要です。

40代以降は閉経が影響していることも

40代以降の場合は、閉経が近付きホルモンバランスが崩れることで生理不順になっている場合もあります。
閉経を迎える平均年齢は50歳。
その前後5年、つまり45~55歳前後を更年期と呼びます。
更年期に入ってからの生理不順は閉経が近付いているサインの可能性も考えられるでしょう。

閉経前に起こる生理不順には以下の特徴があります。

  • 月経周期が段々短くなる
  • 少量の出血が長く続くようになる
  • 急に出血量が増える

40代以降の生理不順でこれらの特徴が現れた場合、閉経が近付いていることも可能性の一つとして考えられます。
自分が更年期に当てはまる場合は、婦人科を受診してみると良いでしょう。

生理不順が引き起こすトラブル

生理不順の中でも稀発月経のように、月経の回数が少なくなる場合「月経が少ない方が楽だから」という理由で、放置してしまう人も少なくありません。

しかし、生理不順の原因がホルモンの異常によるものだった場合、放置すると大変危険です。
ホルモン異常を放置すると、機能性子宮出血や黄体機能不全、多嚢胞性卵巣症候群などを引き起こす可能性があります。

機能性子宮出血
  • 子宮に病気が無いにも関わらず起きる不正出血のこと
  • 長期に渡って出血し、貧血を起こすこともある
黄体機能不全
  • 黄体の働きが弱まってしまうこと
  • 子宮内膜が厚くなりにくく不妊症や、流産、不正出血の原因になることがある
多嚢胞性卵巣症候群
  • 卵胞の成長が止まり、排卵しなくなること
  • 不妊の原因や、ニキビが増えるなどのトラブルが起きやすくなる

生理不順は体からのSOS。自分の体に変化を感じた場合、速やかにかかりつけ医の診察を受けるようにしましょう。

生理不順で受診する目安

正常な生理周期から外れた場合、生理不順になりますが「体質的に少し外れてしまっただけかもしれないし」と放置する人も少なくありません。
妊娠を希望しているなどの理由がない限り、なかなか適切なタイミングで受診する人は少ないでしょう。

生理不順で受診すべきか悩んだ場合、以下の目安にするのがおすすめです。

  • 1か月に2回生理がある場合は受診
  • 妊娠を希望している場合→正常な生理周期から外れていたら受診
  • 初潮から3年以上経過している場合→3ヵ月生理が起こらなかったら受診
  • 初潮から3年未満の場合→6ヵ月生理が起こらなかったら受診

2~3ヵ月生理が起こらなくても、その後通常の生理周期に戻れば問題がありません。
しかし、性行為があって生理が止まるなら妊娠の可能性もあります。
性行為があって予定通り生理が起こらなかった場合は生理予定日の1週間後を目安に受診すると良いでしょう。

生理不順の治療に用いられるピルとは

生理不順の治療薬に多く使われるのがホルモン薬「ピル」です。
経口避妊薬として有名ですが、病気の治療に用いられるピルは「LEP」と呼ばれます。

ピルは上手に使うことで、女性の生理にまつわる悩みを解決してくれる薬です。
正しい知識や理解をもって、服用を検討してみましょう。

生理不順の治療に用いられるピルについて、ピルが生理を止める仕組みやピルの種類、飲み方や副作用について紹介します。

ピルについて

ピルはエストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンが配合された薬です。この2種類のホルモン薬を服用すると、体の中では妊娠した時の状態に近いホルモンバランスになります。

その結果、脳は体が妊娠していると勘違いし、卵子を成長させ排卵する働きや子宮内膜を厚くする働きを止めます。これがピルを服用することで生理が止まるメカニズムです。

本来なら生理周期中、女性の体内ではホルモンバランスが大きく変動し続けます。
その結果、生理不順をはじめ、月経困難症や月経前症候群など生理にまつわる様々なトラブルが起こると考えられているのです。

ピルを飲むことで、周期中もホルモンバランスが一定の状態に保たれ、生理にまつわるトラブルが起こりにくくなる効果も期待できます。
ピルを上手に取り入れることで、これまで我慢していた生理にまつわるトラブルを改善できる可能性があるとして注目されています。

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ピルの種類

ピルは配合されているホルモンの量によって「中用量ピル」「低用量ピル」「ミニピル」と分類されます。中でも、生理不順に処方されることが多いのは低用量ピルです。

低用量ピルは、経口避妊薬や月経困難症の治療薬としても処方されることが多い薬です。中用量ピルに比べるとホルモン配合量が少なく、比較的副作用を抑えやすいピルと言えます。

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ピルの飲み方

ピルは1日1錠を、毎日同じ時刻に服用します。ピルには21錠タイプと28錠タイプがあり、それぞれ服用方法が異なることも覚えておきましょう。

21錠タイプの場合

1シート(21錠)を順番に服用します。1シート服用し終わったら、翌日から7日間の休薬期間を設けます。休薬期間はピルを服用せず、生理(正しくは消退出血)が起こります。7日間の休薬期間を終えた翌日から、また新しいシートの服用を始めましょう。

28錠タイプの場合

28錠タイプの場合、シートに記載されている順番に服用をすすめていきます。22日目から28日目までは偽薬(プラセボ)というホルモンの配合されていない錠剤です。偽薬を服用している期間が休薬期間にあたり、生理(消退出血)が起こります。1シート全て服用し終えたら、翌日から新しいシートの服用を始めましょう。

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ピルの副作用

ピルで心配される副作用には、頭痛や吐き気、不正出血、むくみなどのマイナートラブルがあります。しかし、これらの多くは1シート飲み終える頃には消失するケースが多いため、まずは暫く服用してみるのがおすすめです。

また、ピルの重篤な副作用の一つに血栓症があります。血栓症は、血管内に血の塊ができて血流を止めてしまう病気。命にかかわることもあります。

ピルを服用した場合、血栓症が起こるリスクは1万人に3~9人の割合だと言われています。
これに対して、ピルを服用していない人の血栓症リスクは1万人に1~5人、妊婦では1万人に5~20人の割合だそうです。
健康な人であればピルを飲んだことで血栓症リスクが急激に上がる訳ではありませんが、血栓症になりやすい体質の方は注意が必要でしょう。

血栓症リスクが高い方
  • 喫煙者
  • 40歳以上の人
  • 肥満の人
  • 高血圧の人
  • 過去に血栓症になったことがある人
  • 母親や姉妹に血栓症になったことがある人

これらの特徴に当てはまる人は、血栓症を引き起こすリスクが高いとして、ピルの処方を受けられない場合があります。

元から血栓症リスクの高い人が、ピルを服用すると血栓症リスクは約20倍に上がると言われています。上記の特徴に当てはまる人は医師と相談し、ピル以外の治療方法を検討しましょう。

世界ではピル(LEP)普及率30%以上の国も!生理コントロールに服用している

日本では、「ピル=避妊」というイメージが根強く、ピル後進国とも言われています。世界中の女性達が、避妊や生理にまつわるトラブル改善のためにピルを積極的に服用しているのです。

日本国内のLEP普及率はわずか3%。しかし、海外ではフランスやカナダなどをはじめ普及率が30%を超える国も多く存在します。

生理にまつわるトラブルは、不妊や他の病気を誘発する可能性も高いもの。
「少し生理が遅れているだけ」と生理不順を甘く見ず、婦人科や産婦人科を受診して適切な治療を受けるのが良いでしょう。

ピルも数ある治療法の一つです。選択肢の一つにピルを加えて、生理トラブルを早期改善することが望ましいと言えます。

まとめ

生理不順について、正常な生理のメカニズムや受診目安、治療法の一つであるピルについても詳しく解説してきました。
生理不順になっていても、日常生活に影響を感じていない人は特に放置してしまいがちです。
しかし、生理不順を放置したことで深刻な病気や不妊に発展してしまう可能性もあります。

生理不順で受診する目安を参考にして、生理トラブルは早めに改善しておくのが良いでしょう。
また、治療方法の一つであるピルについても、正しい知識を持って検討することが大切です。

生理の異常は体からのメッセージです。しっかりとメッセージを受け取り、状態を改善して健康な毎日を過ごして下さいね。

当院のピルはすべて完全自由診療にて処方しております。病気の治療を目的とする保険診療でのピル処方をご希望の方は、隣接するグループクリニックをご紹介することもできますのでお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

宿田 孝弘
宿田 孝弘 ネオクリニック 院長

ネオクリニック院長の宿田孝弘です。私たちのクリニックはとても小さなクリニックですが皆様にとってのコンビニクリニックになれるように努力しますのでよろしくお願いします。

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